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ピロン、
3人の携帯から一斉に通知音がして顔を見合わせる。
廉『はよ見たれよ！』
「こう言うのは正門が担当やろ」
正『そんなん言う前に見てあげたらいいのに』
ここにいる3人の携帯が一斉に鳴るということは、送り主はもうわかっていた。
はっすんがしょうもない事言うてるんやろって誰もが思ってた。
廉『自分だけ店の手伝いあるってぐずってたんやろ？』
「こっちくる前日までめーーーっちゃうるさかってん。連絡してこんでも明日帰るのにな」
廉『大橋、なんて？』
メッセージをひとつ確認するだけやのに、やたらと時間がかかる正門に痺れを切らしたのか廉が顔を上げると、
廉『ぇ、どした？』
顔面蒼白の正門が、呆然と携帯を見つめていた。
正『.....、見て、』
やっとこさそれだけ呟いて、ディスプレイをこちらに向けてくる。
「.....、ぇ、」
その画面を見た瞬間、頭の中が真っ白になった。
"1時間後に電話しよ"
その言葉と、一緒に送られてきた写真。
廉『え、や、やったやん！嘘やろ！』
興奮した廉にがくがく肩を揺らされながら、震える手で正門の携帯を両手で受け取る。
正『目、覚めたんや、大西さん』
そこに映るのは、穏やかな表情の大西流星。
おおにっちゃんとあほ面のはっすん。
「俺、帰る」
正『え、ちょ！落ち着けって』
廉『今新幹線乗ったら電話でけんやろ！』
「あ、そか...、そか」
今にも立ち上がりそうな俺の腕を両サイドから二人に抑えられた。
おおにっちゃんが目を覚ました。
ほんまに...？
廉『どんだけ慌ててんねん』
「慌てるやろ、だって」
正『電話する前にちょっと落ち着いとかなな』
廉『俺も、大阪一緒に帰ろかな』
正『学校は？』
廉『サボる。どうせオリエンテーションやし』
手の震えがおさまらなくて、
思考回路が定まらなくて、
走馬燈の様に思い出されるのは5年前。
手を伸ばした先のおおにっちゃんの、青白くて、それなのに綺麗なおおにっちゃんの顔。
「.......、よかったぁ、っ」
正門の携帯に映ったおおにっちゃんの写真を握りしめながら、深く息を吐くと一緒に涙が溢れそうになる。
思わず俯いた俺に無言でティッシュを差し出す廉と頭に手を乗せる正門に、この瞬間にひとりじゃなくてよかったって、心底そう思った。
＊
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ちゆ(プロフ) - えりなさん» こんばんは！いつもコメントありがとうございます！内容がオリジナルなのでわかりにくい所も多いと思いますが読んで頂けたら嬉しいです(*¨*) (2018年10月27日 0時) (
レス) id: d82cf62acc (このIDを非表示/違反報告)
えりな - 素敵な物語ありがとうございます涙こちらの方も読ませて頂きますね(*^^*) (2018年10月26日 15時) (レス) id: ca05f7c3fa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちゆ | 作成日時：2018年10月12日 23時
