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side:Kyohei


苦手な勉強を終えた20時、塾から家に向かう帰り道で久しぶりに大橋くんに出会った。


和『あ、恭平！』

恭『大橋くん』


手には紙袋を持っていてそれを軽く持ち上げて俺に見せる。
少し駆け足で大橋くんの元に向かうと人の良さそうな笑顔が向けられる。


和『ちょうど良かった！これ、恭平と流星に』

恭『...？なんですか、これ』


紙袋の中を覗くとタッパーに詰められたおかずがいくつか入っている。


和『今日からおじさんとおばさん旅行なんやろ？これうちの親から』

恭『ああ...！あざす！けどなんで...』


大橋くんは俺の家の方向から歩いてきていた。


和『や、大西家行ったんやけど留守やったし』

恭『え...？』

和『流星出かけてたんかな？』

恭『や、そんなはずは...』


講義中に連絡があったんかと思って携帯を取り出したけど特に連絡は来てなかった。


和『まあ恭平に会えてよかったわ！これよろしく』

恭『あ、はい』


おかずの入った紙袋を受け取って、少し急いで家に戻る。
俺と流星の部屋には明かりがついているのが外からわかる。
玄関の鍵をあけて、


恭『流星？』


家の中に呼びかけるけど返事はなくて、
大橋くんに貰ったおかずの袋を靴箱の隣に置いて部屋に駆け上がる。


恭『流星、いる？』


返事を待たずに部屋をあける。
やっぱりそこにも流星はいなくて、台所もリビングもトイレも洗面所も念の為両親の寝室も、


恭『流星、』


どこにもいない。
玄関の鍵も閉まってたし、窓も全部閉まってる。
やから強盗とかではない、はず。
じゃあ、じゃあーーーー、
もう一度部屋に戻って流星の学校の鞄をひっくり返す。
財布と定期が見当たらんかった。


恭『どこに...』


そうや、電話したらいいんやってポケットから携帯を取り出したところで、流星の机のうえにスマホが置きっぱなしにされているのに気がついた。

.....、嫌な予感がする。
勉強机の左の引き出しを勢い任せに引っ張り出す。
ここに、流星が昔の携帯をしまっているのを知っていた。
たまに夜中この引き出しに手をかけては開けずにいた流星を知っていた。


恭『.....、やっぱない、』


猛ダッシュで階段を駆け下りて靴を引っ掛けて家を出た。
さっき帰ってきたばっかの道をまた走る。


恭『大橋くん...！』

和『うわっ！え、何、？恭平か...！』


家に帰る途中の大橋くんのパーカーの帽子をひっつかんだ。





＊

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ちゆ(プロフ) - えりなさん» こんばんは！いつもコメントありがとうございます！内容がオリジナルなのでわかりにくい所も多いと思いますが読んで頂けたら嬉しいです(*¨*) (2018年10月27日 0時) (レス) id: d82cf62acc (このIDを非表示/違反報告)
 えりな - 素敵な物語ありがとうございます涙こちらの方も読ませて頂きますね(*^^*) (2018年10月26日 15時) (レス) id: ca05f7c3fa (このIDを非表示/違反報告)

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作者名：ちゆ | 作成日時：2018年10月12日 23時

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