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ひんやり冷たく感じたそれが、おおにっちゃんの掌とわかった瞬間、安心感でまたふっと目を閉じる。
心地いい時間がゆっくり流れてる様な気になった。
『寝ぼけてんの...？』
口元が緩んだ俺にそう問いかけたおおにっちゃん。
ほんまは話したいけど薬を飲んだせいか眠気が勝った。
すぅと、もうほんまに夢の世界に、この幸せな気持ちのまま夢の中へと向かった瞬間に、
『.....、はやく元気になってね』
さっきまで冷たくて心地いい掌が頬から離れて、
代わりに頬に柔らかくて少し湿った感触。
髪を揺らす吐息に、感情を全部、ぜんぶもってかれた。
「なん、で...」
なかったことに、したんじゃなかったん...？
まだ薄らとしかあかない瞳がもどかしくて、熱のせいで流れる涙もおおにっちゃんの表情を見るには邪魔でしかなくて、
『大ちゃ...、ほんまに起きた』
「え...？」
『なんか、ちゅーしたら大ちゃんが起きる気がして』
呆然とする俺の頬に流れた涙を指で拭いながら、はっきり見えんけど多分微笑んだ。
『しんどいのに、ごめん。声聞きたいなぁって思っただけやねん。寝てな？』
赤ちゃんを寝かしつける様にポンポンと布団の上からあやすけど、ねぇ、俺今それどころじゃないんやって、おおにっちゃん、
「...も、っかい」
『え...？』
「して、...おおにっちゃ、」
くい、と袖をひく。
頭は痛いし、身体はダルいし、視界はぼやけるし、
やけどおおにっちゃんの唇が触れる感触はちゃんと伝わって、心臓の音が耳の奥で聞こえた。
『大ちゃん、』
「ん...？」
『早く元気になってね』
「ん、」
本当に心配してくれている声色に、絶対明日までに治そうって勝手に決意して、
和『お待たせー。って大ちゃん！起きてるやん！』
『しーっ』
もう少しこのまま居たいと思ったけど、はっすんが余計元気になってトイレから戻ってきた所でまたいつも通りに戻される。
和『あ、ごめん。大ちゃん、大丈夫？』
『結構熱高そう』
和『まじかー...、これ。今日来れんかった正門と廉から差し入れ』
『ゼリーやし、...食べれそうなら食べてな』
「おん、」
和『大ちゃん、俺にも返事してやぁ、』
『今日はしんどいんやからあかんって』
親子のようなやり取りの2人はおおにっちゃんに言われるがまま鞄を持って部屋から出ようとし始める。
その気配に、
「ふたりともありがとう」
と伝えると嬉しそうに顔を見合わせる2人が目に浮かんだ。
＊
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ちゆ(プロフ) - えりなさん» こんばんは！いつもコメントありがとうございます！内容がオリジナルなのでわかりにくい所も多いと思いますが読んで頂けたら嬉しいです(*¨*) (2018年10月27日 0時) (
レス) id: d82cf62acc (このIDを非表示/違反報告)
えりな - 素敵な物語ありがとうございます涙こちらの方も読ませて頂きますね(*^^*) (2018年10月26日 15時) (レス) id: ca05f7c3fa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちゆ | 作成日時：2018年10月12日 23時
