04 ページ4
side:R
知らない間に大人びた大橋くんは今、大学に通いながら実家のスポーツ用品店のお手伝いをしているらしく、元々親同士はご近所づきあいがあったこともあって、ちょくちょく流星の様子を聞いてくれていたらしい。
和『ほんまによかった！色々話したいけど、もうすぐご飯やし...今日は家族水入らずの方がええやんな』
そう言って帰ろうとした大橋くんを引き止めたのは誰でもない流星やった。
『待って、帰らんといて、』
自分では普通に言うたつもりやったのに、うまく声が出なくて掠れてしまう。
和『けど.....、や、うん。じゃあ一緒に食べて帰ろかな！』
恭『あ、じゃあ俺お母さんに言うてきますね』
和『ありがとう！』
家族だけの空間が嫌なんて、どうかしてる。
和『流星...、あ、そや！』
『？』
和『写真撮ろ！久しぶりに！』
パァと嬉しそうにスマホを構える大橋くんと、一緒になんでもない自撮りをする。
撮った写真を2人で覗いてると、恭平くんが戻ってきた。
恭『ご飯、大橋くんのも行けるって』
和『ほんまに！？ありがとう！』
恭『自撮りっすか？』
和『そー！見て、流星めっちゃ可愛いやろ。これ大ちゃんに送ろ』
『！』
大ちゃん。
大ちゃんは、大ちゃんも今は大学生なんかな。
お母さん達がやたらと大ちゃんの話を避けるから、ずっと聞きたくても我慢してたけど、
『大橋くん、』
和『んー？』
『大ちゃんは、今どうしてるん...？』
どきどきする。
聞きたいのに、5年。
流星の知らない5年を知るのは、怖い。
和『ああ、大ちゃんはー...、待って。それさ、本人から聞いた方がいいやんな』
『へ...？』
和『電話出来るか聞いてみる！』
『え、え！待って！』
和『え、何？どした？』
『心の準備が！』
今にもメッセージを送ってしまいそうな大橋くんの腕を引っつかむと、不思議そうな顔をこっちに向けたあと、
和『大丈夫やって！大ちゃん、見た目あんま変わってないから！』
満面の笑み。
『そういう事じゃなくて...！』
恭『大ちゃんって誰ですか？』
和『あ、そか！恭平会ったことないっけ？大ちゃんは俺らの同級生でー...て、やっぱ電話した方が早いって！』
『ちょ、もう！せめてご飯！ご飯食べてからにしよ！』
そう言うと大橋くんは少し渋ったあとに、"1時間後に電話しよ"ってメッセージを送り付けていた。
さっき2人で撮った自撮りと一緒に。
＊
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 164人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「関西ジャニーズJr」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ちゆ(プロフ) - えりなさん» こんばんは！いつもコメントありがとうございます！内容がオリジナルなのでわかりにくい所も多いと思いますが読んで頂けたら嬉しいです(*¨*) (2018年10月27日 0時) (
レス) id: d82cf62acc (このIDを非表示/違反報告)
えりな - 素敵な物語ありがとうございます涙こちらの方も読ませて頂きますね(*^^*) (2018年10月26日 15時) (レス) id: ca05f7c3fa (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ちゆ | 作成日時：2018年10月12日 23時
