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おおにっちゃんと3日後、会う約束をして電話を切った。
みんなにもこの番号を教えなあかんと思いつつ、俺しか知らない今の状況を手放すのが少し勿体なくて、自分の携帯に登録したおおにっちゃんの番号を何回も何回も頭の中で暗唱した。
ーーーー3日後、あの真っ赤な携帯をおおにっちゃんに返そう。
多分やけどおおにっちゃんは覚えてない。
5年前、深い眠りにつくきっかけになった出来事を、覚えてないし教えられてないと思う。
「ーーー、ごめんなさい」
あの携帯を渡したら、おおにっちゃんはきっと思い出してしまう。
それがおおにっちゃんにとっていい事かはわからん。
わからんけど、俺たちは先に進まなあかんから。
＊
初めておおにっちゃんを見たのは中学一年生の時、中学になって入った陸上部の初めての他校との合同練習の日、俺はまさかの寝坊した。
本当ならみんなでバスで向かうはずが出遅れた俺は1人遅れて練習先に向かった。
あの頃はまだ、学校の外っていうのは行きなれてなくて緊張してたのに加えて、寝坊までしてるわけやから緊張は限界を超えていた。
座る席は空いてなくて立ってバスの中を過ごしているとその緊張のせいかなんだかムッとしてくる。
気分が悪いって言うまでじゃなくて少し酸欠みたいな頭がムッとする感じ。
『あの、よかったら座ってください』
見た目でも絶対わかるはずのないレベルやのに、目の前の1人がけの席から立ち上がったのがおおにっちゃんやった。
「え...、」
自分に言われてるんじゃないかもって言うレベルでぽかんとしてると、
『どーぞ』
って人懐っこい笑みで言われて、
うわって、やばいこれが一目惚れかもって思いつつ譲ってもらった席に座って気づいた。
あ、この子、男の子やって。
その事に驚きすぎてお礼も言い損ねてしまう。
その子は手すりを持ちながら携帯をいじり始めて、俺は反対側の窓の外に目をやる。
何個目かのバス停を通過した時に、おおにっちゃんは俺が座った席のすぐそばの停車ボタンを押した。
今しかないと思った。
「あの、ありがとうございました」
絞り出した声は緊張でいつもと違う気がした。
『え？はい、どういたしまして。野球頑張ってください』
そう言って、当時坊主頭やった俺を野球部と勘違いして降りてったおおにっちゃん。
男の子とわかった後も可愛いと思えたその子と2年後に再開した時はほんまに嬉しくて、いつ声をかけるか何日も悩んだーーーー。
＊
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ちゆ(プロフ) - えりなさん» こんばんは！いつもコメントありがとうございます！内容がオリジナルなのでわかりにくい所も多いと思いますが読んで頂けたら嬉しいです(*¨*) (2018年10月27日 0時) (
レス) id: d82cf62acc (このIDを非表示/違反報告)
えりな - 素敵な物語ありがとうございます涙こちらの方も読ませて頂きますね(*^^*) (2018年10月26日 15時) (レス) id: ca05f7c3fa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちゆ | 作成日時：2018年10月12日 23時
