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side:R
大ちゃんと出会って、勉強が少しだけ嫌いじゃなくなった。
とりあえずは高校に受かりたかったから。
大ちゃんと廉くんのいる高校に一緒に行きたかったから。
その理由だけで、僕は毎日ちゃんと勉強出来た。
二学期に入ってからは学校でも廉くんと話すようになって、勉強でわからない事があったら教えてくれたし、大ちゃんも塾が終わってから残って一緒に勉強してくれた。
単純にその時間が楽しかっただけやけど、それでも少しずつ出来るようになるのは嬉しかった。
『大ちゃん、ここ教えて欲しい』
「どれー？」
この日も大ちゃんと2人、塾が終わってから自習室の隅っこで勉強していた。
流星にとっては難問も大ちゃんにかかればスラスラと答えに導かれる。
『....、大ちゃんはさー』
「ん？」
『彼女とか作らんの？』
「へ...？」
流星がお願いしていた数学の問題を解いていた大ちゃんは顔を上げて固まってる。
そんな変なこと聞いたかな...？
『この間告白断ったって言うてたやん』
色々くだらない話も出来る仲になっていたけど、僕ら3人、あまりこういう話はした事がなかったから、
『断ってくれてよかったなって今思って』
「え、それはどういう...？」
『彼女おったらさ、こんな風に一緒に勉強出来んくなるやろうし、...ほら流星に構ってる時間勿体ないやん』
塾までの時間も終わってからの時間も、きっとその子に使いたくなるやん。
そしたら多分きっと、
『勉強つまんなくなって、やらんくなるんやろうなー...て今思って』
「.....」
『大ちゃん？』
なんの返事もしない大ちゃんを見ると、目を見開いてじっと流星を見ていた。
『あの、大ちゃん...？』
もう一度呼びかけると今度は静かに目を瞑って、何かを堪えるように深呼吸して、
「大丈夫。彼女、今はいらんから」
そんでいつも通りの大ちゃんに戻る。
『そうなん？』
「おん。彼女作って一緒におるより、こうやっておおにっちゃんとおる方がいい」
『そう、なん...？』
「ん、そうなん。高校入っても多分そうやで」
『ふふ、そっか。じゃあ安心やね』
そう言って視線をテキストに戻した時、
ポンポンと頭に優しい感触がして、再び大ちゃんを見ると今まで見たことない優しい表情で流星の頭を撫でていた。
多分そこからやったと思う。
大ちゃんが時折流星の頭を撫でたりふざけて抱きしめるようになったのは。
小さい子供がじゃれ合うようなそれが、全く嫌とは思えなかった。
＊
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ちゆ(プロフ) - えりなさん» こんばんは！いつもコメントありがとうございます！内容がオリジナルなのでわかりにくい所も多いと思いますが読んで頂けたら嬉しいです(*¨*) (2018年10月27日 0時) (
レス) id: d82cf62acc (このIDを非表示/違反報告)
えりな - 素敵な物語ありがとうございます涙こちらの方も読ませて頂きますね(*^^*) (2018年10月26日 15時) (レス) id: ca05f7c3fa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちゆ | 作成日時：2018年10月12日 23時
