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その日の帰り、塾の先生から高校の偏差値一覧を貰って大ちゃんと一緒に帰った。
塾の外で大ちゃんと一緒にいるのはこれが初めて。
2人で公園のブランコに腰掛けて、段々と薄暗くなる中で必死に高校一覧を見つめた。
『大ちゃん行きたい高校ないん？』
「んー...家からあんま遠くないとこがいい」
『じゃあここか、ここ？』
自転車で通える距離の学校を2つ指さすと、
「んー...」
あんまりお気に召さなかった様子。
「そうやなぁ、.....あ！ここは？緑ヶ丘！」
『緑ヶ丘？いいの？電車通学になるけど』
大ちゃんが言うてきた高校は僕らの学区からは少し離れた高校やった。
家が近い方がいい、なんて言いつつなんで電車通学を選んだのかこの時は不思議やったけど、
「うん、ここがいい。嫌...？」
『ううん。嫌とかあんまない。ただ...』
「ただ？」
後から聞いた話、流星が言うた2校は制服が学ランで、大ちゃん曰く流星には学ランよりブレザーが似合うらしい。
そんで、大ちゃんが緑ヶ丘を選んだ理由は単純に制服が似合うから。それも自分ではなく流星に。
『...ちょっと勉強頑張らななって』
「あー...。俺も手伝えるとこは手伝うし」
『ふふ、ありがとう』
高校生になってからその話を聞いた時はくだらなさ過ぎて、大ちゃんらし過ぎてみんなで吹き出したのを覚えている。
「じゃあほら、書いて！進路！」
『うん』
僕は真っ白だった進路調査書が埋まるのが嬉しくて、あとは同じ学校に行きたいって言われたのも単純に嬉しくて、凄く心軽い気持ちで緑ヶ丘高校って記入した。
「俺も緑ヶ丘って書いて提出する」
『...ほんまに緑ヶ丘でいいの？』
大ちゃんやったらもっと賢い高校だって受けれるはずやのに。
「おおにっちゃんが行くなら」
『落ちるかもよ？』
「したら一緒に滑り止めの高校に行こ」
『そんなに流星と一緒がいいの？』
そう、少しふざけて言うたら即答で"うん"って返ってくる。
例え深い意味がなくっても気恥ずかしかった。
その日帰ってから緑ヶ丘を受験したいって親に報告すると、すごくすごく喜んでくれた。
流星からしたらちょっと背伸びした学校やったし、
母『ほら塾に行くと行きたい高校見つかるかもって言うたでしょ？』
お母さんは自分の宣言通りになったことが嬉しそうやった。
『うん！ありがとう！』
ここから、この日から、流星の毎日は少しずつ変化して行った。
＊
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ちゆ(プロフ) - えりなさん» こんばんは！いつもコメントありがとうございます！内容がオリジナルなのでわかりにくい所も多いと思いますが読んで頂けたら嬉しいです(*¨*) (2018年10月27日 0時) (
レス) id: d82cf62acc (このIDを非表示/違反報告)
えりな - 素敵な物語ありがとうございます涙こちらの方も読ませて頂きますね(*^^*) (2018年10月26日 15時) (レス) id: ca05f7c3fa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちゆ | 作成日時：2018年10月12日 23時
