40話 ページ49
輪投げをしてる翔太さんはやっぱりと言っていいのかな…上手い。
水色の浴衣を着た黒島さんはいつもより可愛くてすごく似合っていた。
翔太「よっしゃぁー！」
「さすが翔太さん！」
私と黒島さんはパチパチと手を叩いて顔を見合わせた。
翔太「欲しい？」
「くれるんですか？」
私と黒島さんに景品のルービックキューブのキーホルダーを見せてくれたけど、翔太さんはそれを遠ざけた。
翔太「これはね…どーやんが取ってくれるよ」
「二階堂くん？」
二階堂「それあげればいいじゃないですか」
翔太「はいはい！どーやんの番…ちょちょちょっ！あー！俺呼び込み係交代の時間だ！あとは二人で…黒島ちゃ…」
そういう事か…翔太さんは黒島さんと二階堂くんを二人きりにしたいんだ。
「翔太さん！私！翔太さんの住民会の出店興味あったんで一緒に行きますね！じゃ、じゃあ！二階堂くん、黒島さんとね」
二階堂「は？え、ちょっと！」
翔太「え？Aちゃん！ちっちがっ！」
私は痛む心から目を背けて、翔太さんの腕を掴んで二人から遠ざかった。
足を進める度にぴしりと心が壊れる音がした。
翔太「Aちゃん！Aちゃんってば！」
「……二階堂くん、黒島さんと上手くいくといいですね」
翔太「違うよ！どーやんは……Aちゃん？」
言葉とは裏腹に涙が流れてきた。
馬鹿だな…私。
翔太「…Aちゃん嘘ついてるでしょ？」
「……」
翔太「泣くほどどーやんが好きなんでしょ？」
好き、すごく好きになってる。
でも…私は彼とは釣り合わないもの。
黒島さんとの方が歳も近くて、大学も一緒で好みも似ていた。
あの時、声を合わせて二人で微笑み合って…お似合いだ。
翔太「沈黙は肯定とみなすよ」
頭では言い聞かせるが、私は否定の言葉が出てこず翔太さんにはバレてしまっていた。
翔太「Aちゃんはさ…何でしたくもないのに、二人をくっつけさせるの？本当は嫌だから泣いてるのに」
「私、二階堂くんとは釣り合わない。私より黒島さんみたいに若くて可愛い子が二階堂くんには居るから…」
翔太「何言ってるの？黒島ちゃんとAちゃんは違うでしょ？AちゃんはAちゃんだよ？菜奈ちゃんもそんな風に悩んでたんだって…。俺もそれでなんっっっかいも振られた！」
「……」
翔太「あーーー！！(どーやん！俺言っちゃいそうだ)」
翔太さんは突然大声出して自分の頭をくしゃくしゃにして叫び出した。
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紫(プロフ) - 指摘ありがとうございます。読み返してチェックするのですが、やはり見落としがありますね。こうして報告してくれて助かりました。訂正しました。ご不快にさせてしまい申し訳ございません。 (2019年8月10日 7時) (
レス) id: fbdf32b646 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 31.5話、「小野」ではなく、「尾野」です。 (2019年8月10日 0時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 15話に誤字がありました。「佐野って人をは」ではなく、「佐野って人は」です。 (2019年8月9日 23時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
紫(プロフ) - Spicaさん» ありがとうございます！二階堂くん可愛く表現出来てますかね？素敵なんて照れます…(*´ω｀*)これからも頑張りますのでよろしくお願いします。 (2019年8月1日 23時) (レス) id: fbdf32b646 (このIDを非表示/違反報告)
Spica(プロフ) - 凄く面白いです！二階堂くんが可愛い！文章力がとてもあって素敵です！これからも応援してます！ (2019年7月31日 21時) (レス) id: 7740be45b1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紫 | 作成日時：2019年7月13日 19時
