24話 ページ29
彼に握られた手の感触を思い出していた。
彼に触れると安心する私が居る。
今日は遅番の日だからゆっくり店に向かっていた。
そういえば、ここを曲がって行けば国際理工大学があるとこだよね。
軽い気持ちで近くまで行ってみる事にした。
(うわぁ…すごい大きい。大学ってこんな感じなんだ…)
部外者が入ってもいいのかわからなくて
入り口をゆっくり通ってみようとしたら見知った姿が私を通り過ぎた。
(二階堂くん？)
急いでるみたいで割と早く走っていたから声をかけるタイミングを見失った。
引き返そうとした時、少し遠くの方で振り返り止まっていた。
彼の視線の先には黒島さんが居た。
何か話してるのか、しばらく立ち止まった後二階堂くんは黒島さんに近づき彼女の頭を自分の顔へ寄せていた。
息を吸い込み吐くのを忘れたかのように止めていた。
一瞬の出来事なのに、すごく長く感じた。
このまま直視したくなくて私は彼等から背を向けて夢中で足を動かした。
そこからどうやって仕事をこなして終わったのかもよく分からないまま過ぎていた。
マスターにも心配されてしまった。
明日はちゃんとしよう。
意気込んで店のドアを開けたら、今は会いたくない彼が立っていた。
二階堂「…こんばんは」
「…こんばんは」
二階堂「……」
「……えと、私帰るね。じゃあ…」
二階堂くんは何も話そうとしないから、私は彼の横を通り過ぎて帰ろうとしていた。
それは彼の手によって止められた。
二階堂「今日は行かないんですか？手塚さんの所」
「あ、うん。毎日行っても迷惑だし、二階堂くんが居たら大丈夫だよ。それにいざとなれば黒島さんもいるし」
二階堂「…そうですか、なら、送ります」
「いや、いいよ。今大学帰りでしょ？それに翔太さんの所行くならまた疲れちゃうしね。真っ直ぐ帰るから心配しないで。じゃあ、またね」
二階堂くんにおじぎして歩く速度をあげた。
私は振り返る事なく、彼から離れたのだった。
(あからさま過ぎたかな…)
いつもより足早に帰ってきたから息が軽くあがった。
呼吸を整えてポストを覗くと数日分の郵便物が溜まってた。
(今日は一段と多いな…)
両手で抱えて部屋に持って入った。
鞄を置いて郵便物を確かめると何通か手紙と少し大きい封筒があった。
差出人は…不明だ。
まさか……
前回と同じくあの人が？
私は恐る恐るそれを開くとぐちゃぐちゃな文字で書かれた手紙と昔に撮った二人の写真がすごい量で送られてきた。
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紫(プロフ) - 指摘ありがとうございます。読み返してチェックするのですが、やはり見落としがありますね。こうして報告してくれて助かりました。訂正しました。ご不快にさせてしまい申し訳ございません。 (2019年8月10日 7時) (
レス) id: fbdf32b646 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 31.5話、「小野」ではなく、「尾野」です。 (2019年8月10日 0時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 15話に誤字がありました。「佐野って人をは」ではなく、「佐野って人は」です。 (2019年8月9日 23時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
紫(プロフ) - Spicaさん» ありがとうございます！二階堂くん可愛く表現出来てますかね？素敵なんて照れます…(*´ω｀*)これからも頑張りますのでよろしくお願いします。 (2019年8月1日 23時) (レス) id: fbdf32b646 (このIDを非表示/違反報告)
Spica(プロフ) - 凄く面白いです！二階堂くんが可愛い！文章力がとてもあって素敵です！これからも応援してます！ (2019年7月31日 21時) (レス) id: 7740be45b1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紫 | 作成日時：2019年7月13日 19時
