20話 ページ24
その後はお開きになって、私は翔太さんの家で夕食を作っていた。
翔太「俺、駄目だよなー」
「そんな事無いですよ。疑心暗鬼になっちゃうのは当たり前です。それに黒島さんにもそれは理解してもらえたじゃないですか」
翔太「そうだけど…」
「出来ましたよ。さ、ご飯食べて元気出しましょ！明日からまた推理しないといけないし！」
翔太「うん…そだね、ありがとう。いっただきまーす…んん！美味っ！これ！」
「お口に合ったみたいで何よりです。これ明日のランチにしよっかなって」
翔太「ランチ？」
「はい。仕事先で作ってるんですよ」
翔太「マジで！今度食いに行こう」
良かった、家に戻って独りだと何かと不安だし。
でもこれ食べたらお暇しよう。
翔太「洗い物は置いててね。後でするからさ」
「ありがとうございます。じゃあ、私そろそろ帰りますね」
翔太「あぁ、送ってくよ」
「いえ、大丈夫です。翔太さんも疲れてるし休んで下さいね。じゃあおやすみなさい」
翔太「ありがとうね、おやすみ」
ドアを閉めてくるりと背を向けてそのまま二階堂くんの部屋の前に立った。
(まだ起きてるかな？)
インターホンを押すと少し間があったけど、ドアを開けてくれた。
「えっと、今日はお疲れ様でした」
二階堂「いえ。…何ですか？」
「これ、はい」
私はさっき翔太さんの所で別に用意したサンドイッチを二階堂くんに渡す。
「夕食まだ…かな？良かったらこれサンドイッチ作ったの。これならパソコンしながらでも食べやすいかなって」
二階堂「僕、他人の作った物」
「うん、わかってるよ！でもね、ちゃんと食べて栄養摂って欲しいの。今日もすごく疲れたでしょ？だから…。でも、どうしても駄目だったら捨ててくれても構わないから。ごめんね、勝手な事して。じゃあ、おやすみなさい」
私は二階堂くんに何も言わせないようにペラペラと喋ってそそくさと逃げてやった。
きっと迷惑な奴って思ってるだろうな…。
なんて1人考えながら帰り道を歩いた。
二階堂「村神さん！」
「え？」
二階堂「はぁ…はぁ…これ…ご馳走さまでした」
二階堂くんは走って追いかけてきて空になったタッパーを返してくれた。
「え、食べて、くれたの？」
二階堂「…はい、それに…もう遅いですし、送ります。またあの時みたいな事になるかもしれないし」
「あ、うん…ありがとう」
二階堂くんは息が整ったのか、私の横に並んで歩いてくれた。
なんだろう…すごく、すごく嬉しくなった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 607人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
紫(プロフ) - 指摘ありがとうございます。読み返してチェックするのですが、やはり見落としがありますね。こうして報告してくれて助かりました。訂正しました。ご不快にさせてしまい申し訳ございません。 (2019年8月10日 7時) (
レス) id: fbdf32b646 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 31.5話、「小野」ではなく、「尾野」です。 (2019年8月10日 0時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 15話に誤字がありました。「佐野って人をは」ではなく、「佐野って人は」です。 (2019年8月9日 23時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
紫(プロフ) - Spicaさん» ありがとうございます！二階堂くん可愛く表現出来てますかね？素敵なんて照れます…(*´ω｀*)これからも頑張りますのでよろしくお願いします。 (2019年8月1日 23時) (レス) id: fbdf32b646 (このIDを非表示/違反報告)
Spica(プロフ) - 凄く面白いです！二階堂くんが可愛い！文章力がとてもあって素敵です！これからも応援してます！ (2019年7月31日 21時) (レス) id: 7740be45b1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：紫 | 作成日時：2019年7月13日 19時
