11話 ページ13
黒島さんはすぐに来てくれて、いくつかの質問に答えてくれた。
手塚さんは落ち着かない様子で二階堂くんの作業を見ていた。
「こんな時間にすみません。明日も大学なんですよね？」
黒島「あ、はい…でも、少し遅めなので大丈夫です」
にこっと笑って答えてくれた黒島さん。
可愛いなって思って私も笑ってしまった。
黒島「あの…Aさんは菜奈さんと仲良かったって…その、事件の事とか聞いてました？」
「ううん…。ここに来たのは今日が初めてだし、菜奈さんからは何も聞いてなかったんです。ニュースで知ってたけど、菜奈さんに直接は聞かなかった。聞いて気持ちの良い質問じゃないでしょ？」
黒島「確かに…」
「でも、少し聞いてたら良かったかな？って後悔してる。もし聞いて相談に乗れたら菜奈さん…こんな風にならなかったかもしれないって」
黒島「……」
「だから、今、出来る事をやりたい。1日も早く犯人を見つけたいなって」
黒島「そうですね」
黒島さんに話して少し泣きそうになった。
でも堪えてなんとか胸の内を話せた。
手塚さんはなんとなくだけど、黒島さんを疑ってる様子。
…黒島さんに限ってじゃなくて住民の皆だと思うけど。
少し黙って考えてたら隣の黒島さんが横に崩れていった。
眠っちゃった…。
「あの、ブランケットってありますか？黒島さん寝ちゃったみたいで…」
二階堂くんは振り向くと眉間に皺を寄せて無言で立ち上がってブランケットを持ってきてくれた。
二階堂くんにお礼を伝えて私はソファーから立って黒島さんにそれをかけて、ソファーの横の地べたに座って二階堂くんと手塚さんの背中を見つめていた。
重い瞼を開けたら知らない部屋の景色が見えてくる。
カタカタとなるキーボードに意識がはっきりとしてきて昨夜の事を思い出す。
あのままソファーに寄りかかって眠ってたみたいだ。
ふわりと自分ではない匂いが香った。
ブランケットからそれが匂ってきたのだった。
私が寝た後にどちらかがかけてくれたんだろう。
「おはようございます」
二階堂くんに声をかけるとピタッと動作を止めて、椅子を反転させてこっちに向いてくれた。
「眠ってしまってごめんなさい…二階堂くんはずっと？」
二階堂「はい」
「これも二階堂くんがかけてくれた？…あ、手塚さんは？」
二階堂「…はい。自分の部屋に戻ってます。朝食を作るって」
「ありがとう。私も手伝ってくるね？」
私はブランケットを畳んで手塚さんの部屋に向かった。
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紫(プロフ) - 指摘ありがとうございます。読み返してチェックするのですが、やはり見落としがありますね。こうして報告してくれて助かりました。訂正しました。ご不快にさせてしまい申し訳ございません。 (2019年8月10日 7時) (
レス) id: fbdf32b646 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 31.5話、「小野」ではなく、「尾野」です。 (2019年8月10日 0時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 15話に誤字がありました。「佐野って人をは」ではなく、「佐野って人は」です。 (2019年8月9日 23時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
紫(プロフ) - Spicaさん» ありがとうございます！二階堂くん可愛く表現出来てますかね？素敵なんて照れます…(*´ω｀*)これからも頑張りますのでよろしくお願いします。 (2019年8月1日 23時) (レス) id: fbdf32b646 (このIDを非表示/違反報告)
Spica(プロフ) - 凄く面白いです！二階堂くんが可愛い！文章力がとてもあって素敵です！これからも応援してます！ (2019年7月31日 21時) (レス) id: 7740be45b1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紫 | 作成日時：2019年7月13日 19時
