1話 ページ2
日常がこんなにも崩れるなんて知らなかった。
この光景が続くとは思える程もう若くは無いけど、毎日が楽しく過ごせてた時は気づかなかった。
「また来るね」
その言葉が何度もあると思っていたから…あの時までは。
マスター「Aちゃん。今日は遅くなってごめんね。気をつけて帰りなさい」
少し老いた男性はここの喫茶店のマスター。
小さな喫茶店だから店員は私だけ。
物凄く忙しい時もあるけど、小さい店だから何とかやっていける。
「お疲れ様です。今日はお客さん途切れなかったですよね。じゃあ、また明日」
時計の針は22時を指している。
外に出るとまだ人はひっきりなしに歩いていた。
この辺は飲み屋も多い。
さらに今日は金曜日だからか笑い声や話し声がざわざわと聞こえてくる。
私はそれを横目に歩き出した。
(今日は流石に疲れたなぁ。帰ったらゆっくりお風呂に浸かりたい)
ずっと立ちっぱなしだった脚は浮腫んで帰る足取りも遅くなる。
男「おねーさんっ」
突然後ろから声がしたと思ったら、右腕を誰かに掴まれた。
私は声にならない程吃驚して振り返ったら、知らない男性が私の顔を笑顔で見ていた。
その笑顔が気味が悪い。
男「独りで何してるの？俺達と飲みに行かない？」
「えっと…仕事帰りで疲れてるんで…」
男「こんな時間まで働いてたの？じゃあ！俺達が奢ったげる！お疲れーってね」
二人はゲラゲラと何がおかしいのか爆笑している。
もう既に酔ってるらしい。
「夕飯も仕事先で食べてますし…結構です」
少し強めに言ってみても彼等は下がってくれなかった。
突然一人の男が私の腰に手を回してきてその男に引っつく形になってしまう。
「やめてください！」
男「かーわいっ。そんな力じゃ引き離せないよ？」
男「姉ちゃん、諦めて俺等と行こうよ」
ニヤニヤと笑って顔を近づけてくる。
私が渾身の力で彼等を押しのけようとした時だった。
二階堂「あの、無理矢理とかどうかと思いますよ」
私達は声をする方に振り向くと気だるそうに男達を見つめていた。
男「あ？誰？お前」
二階堂「いや、その人嫌がってるじゃないですか？見ててウザかったんで」
男「関係ないだろ、お前。どっか行け」
男「兄ちゃん、痛い目みたくないなら帰りな」
その人は見た目は細くてこの男達には敵いそうには無かった。
だけどその目は鋭く、彼等から一歩も引かなかった。
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紫(プロフ) - 指摘ありがとうございます。読み返してチェックするのですが、やはり見落としがありますね。こうして報告してくれて助かりました。訂正しました。ご不快にさせてしまい申し訳ございません。 (2019年8月10日 7時) (
レス) id: fbdf32b646 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 31.5話、「小野」ではなく、「尾野」です。 (2019年8月10日 0時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 15話に誤字がありました。「佐野って人をは」ではなく、「佐野って人は」です。 (2019年8月9日 23時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
紫(プロフ) - Spicaさん» ありがとうございます！二階堂くん可愛く表現出来てますかね？素敵なんて照れます…(*´ω｀*)これからも頑張りますのでよろしくお願いします。 (2019年8月1日 23時) (レス) id: fbdf32b646 (このIDを非表示/違反報告)
Spica(プロフ) - 凄く面白いです！二階堂くんが可愛い！文章力がとてもあって素敵です！これからも応援してます！ (2019年7月31日 21時) (レス) id: 7740be45b1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紫 | 作成日時：2019年7月13日 19時
