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☆
「じゃあ、クリスマスお疲れさまってことで」
支配人の声を合図に、カンパーイ！と声を揃える。
郁人と良亮が用意してくれたたくさんの料理を前に、塚ちゃんが「いただきまーす！」と元気に叫ぶ。
「肉独り占めすんなよ？」という郁人の声は、聞こえているやらいないやら。
そんな塚ちゃんにふう、とため息をついてから、郁人が私の隣に来た。
「結局どうだったの、スフレで合ってた？」
「うーん、わかんない。けど、喜んではもらえたよ。ありがとね、郁人」
「おう。お礼はそうだな〜、今度の休みに…」
「あ、ねぇ良亮、りんこちゃんからのお手紙、なんて？」
「おい無視すんな！」
きゃんきゃん言っている郁人を横目に、良亮がにいっと笑う。
「あのね、大好きって」
「さすがはっしー、モテるね」
「とっつーのことも、元気ですか？って書いてあったよ」
「本当に？嬉しいなあ」
「また遊びに来るねって」
良亮ととっつーが、顔を見合わせてにこにこ笑う。
平和だなあ、と私もにこにこ見ていたら、郁人にぱしんと肩を叩かれた。
「痛いなあ、もう」
「無視すんなって」
「寂しがり屋なんだからー」
「うるせぇな！ってか、あの男の子って結局なに？」
「なにって何？」
郁人が大きな目をぱちぱちさせて言う。
「だって俺ら誰も見てないし。お前しか見てないんでしょ？」
「え、何が言いたいの」
「…だから」
郁人の言わんとすることを察して、いやいやいや、と首を振る。
「足あったもん、大丈夫」
「いや判断基準そこかよ」
「タイミングがたまたま合わなかっただけでしょ？」
「そうかもしんないけどさぁ…」
その時突然、店の扉のベルがチリリン、と鳴った。
全員が、はっと扉の方を見る。
「……見てくるね」
そう言って扉を見に行ったものの、お客様が来たわけではなさそうで、しん、と静まり返っている。
恐る恐る扉を開けたけれど、誰もいなくて。
辺りをきょろきょろ見渡しても、誰かが走っていくような様子も無かった。
ふと、足元を見る。するとそこには。
赤いサンタ帽と共に、小さなメッセージカードが置かれていた。
そっと拾い上げると、かさり、と乾いた音がする。
『まほうのケーキをありがとう』
空を見上げると、今年初めての雪がひらひらと落ちてきた。
fin.
終わり
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ろっか(プロフ) - お話めいっぱい書きすぎてあとがき入れられませんでした！！この計画性の無さ！！なのでコメ欄で失礼します。お読み頂きありがとうございました！あとがきはTwitterにでも載せます(笑)…ろっか (2019年12月27日 0時) (
レス) id: 2af5960142 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ろっか | 作成日時：2019年11月3日 16時
