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それから3日経って、いよいよクリスマスに向けての準備も大詰め、という頃。
「…っあー、もう……」
閉店後の店内。厨房では良亮のイライラしたような声が聞こえる。
どうやら、コンテストに出すケーキのデザインが完成して、練習に取り掛かっているようだ。
何も、こんなクリスマス前の超絶忙しい時期にやらなくても…と思うのだけど、今から少しずつ調整していかなければ…ということらしい。
「ほら、橋本、そこはチョコレートの温度を……」
「わかってる」
なんとなくイライラの立ち込めた空気の悪い厨房にためらいつつも、
「先に帰るね…」
と声を掛ける。
そんな私の思いを知ってか知らずか、私に続いて塚ちゃんが
「お疲れ〜！」
と元気良く声を掛け、とっつーが
「ほどほどにね。お疲れさま」
とにこやかに言って、店を後にした。
店の戸締りはパティシエの2人に任せ、3人で帰り道を歩く。
「はっしー、大変そうだね」
とっつーが、店を振り返りながら言う。
きっと、心配で仕方ないんだろう。とっつーは良亮のことを、本当の弟みたいに可愛がってる。
「んー…でもまぁさ、大丈夫だよ、はっしーは」
「まぁね…どんな大変なこともやってのけちゃうからね、はっしーは」
2人の会話に、良亮への信頼が見えて、なんだか安心する。
そう、良亮は努力家だ。
五つ星の中で一人だけ飛びぬけて若手な訳だけど、そんなの感じさせないくらいに、バリバリ働いてる。
そんな良亮を一番近くで見ているからこそ、大丈夫だと思えるんだろう。…それは私も同じ。
「っていうかさ、毎年思うけど、どこもクリスマスなんて忙しいのに、よくこんな時期にコンテストなんか入れるよね…」
私が言うと、2人も「確かに」と言って苦笑した。
「まぁそこは運営側の事情ってやつでしょう、きっと」
とっつーがおどけたようにそう言って、言葉を続ける。
「俺にはさ、パティシエのあれこれは分かんないけど、あの2人が魂込めてケーキ作ってるのは知ってるから。そこは評価されて欲しいなと思うよ」
俺はそんな2人のケーキを丁寧にお客様に届けるだけだから。というとっつーの言葉に、塚ちゃんも「うん、そうだね」と優しく笑う。
それぞれがそれぞれに、自分の仕事を全うしてる。
改めて、ここは良いチームだな、なんて思った。
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ろっか(プロフ) - お話めいっぱい書きすぎてあとがき入れられませんでした！！この計画性の無さ！！なのでコメ欄で失礼します。お読み頂きありがとうございました！あとがきはTwitterにでも載せます(笑)…ろっか (2019年12月27日 0時) (
レス) id: 2af5960142 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ろっか | 作成日時：2019年11月3日 16時
