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「ちかくにケーキ屋さんがあるってわかってね、おかあさんのタルト・タタンがたべたくなったの。たべたらほんとうにおかあさんのやつみたいで、帰りたくなくなったの」
りんこちゃんは話し終えると、さっきとっつーが置いたタルト・タタンの皿から、フォークを持ち上げた。
「せんせい、食べてみて。りんこのケーキ」
りんこちゃんがそう言ってフォークを差し出した瞬間、高梨さんはぼろぼろと涙を流して何度も頷き、震える手でフォークを受け取った。そうしてひと口、タルト・タタンを食べる。
「……おいしい。おいしいわ、りんこちゃん」
高梨さんは、タルト・タタンをじっくりと味わうように、目を閉じた。
そうしてごくん、と飲み込むと、優しく言った。
「…一緒に帰らない？」
りんこちゃんは、こくん、とひとつ、頷いた。
☆
ぜったい、またくるね。
そう言って、高梨さんとふたり手を繋いで帰っていくりんこちゃんの後ろ姿を皆で見送る。
きっともう、彼女は大丈夫だ。
「かわいかったな〜りんこちゃん」
「良亮、ほんとデレデレだったよね」
「五関くんもデレデレだったよ！あ〜、あんな娘が欲しい！」
良亮が、また遊びたいな〜、と目を細めて言う。
「でもさ、とっつー、あの話は小さい子には難しすぎるよ。俺もわかんなかったもん」
「別に良いでしょうよ。結局、解決したんだから」
「つかさ、塚ちゃんの方があの子より幼いんじゃない？」
「それはひどいよ河合！」
またいつものふたりの小競り合いに、郁人まで参加している。
なんだかいろいろなことが起こるけれど、やっぱりこの店はいつでも平和だ。
「…あのタルト・タタンが、新しい思い出の味になったらいいね」
私がそう呟くと、5人はもう一度、ふたりが歩いて行った道を見つめ、優しい顔をして笑った。
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ろっか(プロフ) - お話めいっぱい書きすぎてあとがき入れられませんでした！！この計画性の無さ！！なのでコメ欄で失礼します。お読み頂きありがとうございました！あとがきはTwitterにでも載せます(笑)…ろっか (2019年12月27日 0時) (
レス) id: 2af5960142 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ろっか | 作成日時：2019年11月3日 16時
