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「もうすぐ12月だね〜」
カフェが閉店し、静かになった店内を掃除しながら、塚ちゃんがのんびりした声で言う。
「何をそんなのんきに…これからが、洋菓子店のかき入れ時なんだよ？」
「Aったら、ピリピリしすぎだよ。どうせ五関くんはいろいろ考えてあるんだから大丈夫だって」
「だから、その支配人の指示は直接私に飛んでくるの！」
店内の装飾を少しずつクリスマス仕様にしたり、ポップを書き換えたり、クリスマスケーキの予約管理をしたり…この時期の洋菓子店はとにかくクリスマスに向けて忙しい。
とっつーと塚ちゃんも雑務を手伝ってはくれるけれど、結局支配人からの指示は私に降りてくるし、その支配人はいろんな所に挨拶回りをしたり、街のイベントの打ち合わせに行ったりと忙しくて店を留守にしがち。
カフェにひっそりと訪れる支配人のファンたちが、今日もお姿が見えない、と嘆いているのを私は知っている。
それから、パティシエのふたりも。
「ん〜、なんかパッとしないんだよなぁ」
「そう？これ結構かわいいけど」
「そうなんだけどさ…。あ、なぁ、A！」
良亮と一緒にああでもない、こうでもない、とケーキの試作を繰り返していた郁人が、私を呼んだ。
ショートケーキのポップをサンタの絵がついたものに差し替えてから、厨房に向かう。
「なに？」
「どう？これ。女の子から見て、かわいい？」
良亮が、わくわく、と言った感じで聞いてきた試作のクリスマスケーキは、真っ白な生クリームの上にマジパンで出来たサンタとトナカイがちょこんと乗り、星形のカラフルなアイシングクッキーが周りにデコレーションされていて、とても可愛らしかった。
「うん、かわいい」
「お、やっぱり？」
良亮が、ほら！と郁人を見る。
だけど郁人は、なんだか浮かない顔をしていて、何となくその理由も私には分かった。
「かわいい、けど」
「けど？」
「ん〜、なんだろう、うちの客層にはちょっとポップというか、かわいすぎる…？」
パティスリー五つ星の客層は、どちらかというと落ち着いた大人の方が多い印象。
住宅街の中にあるからファミリー層も一定数はいるけれど、年々、大きなクリスマスケーキよりも、ショートケーキや、小さめのホールケーキが売れていくことが多くなっていた。
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ろっか(プロフ) - お話めいっぱい書きすぎてあとがき入れられませんでした！！この計画性の無さ！！なのでコメ欄で失礼します。お読み頂きありがとうございました！あとがきはTwitterにでも載せます(笑)…ろっか (2019年12月27日 0時) (
レス) id: 2af5960142 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ろっか | 作成日時：2019年11月3日 16時
