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「なぁA…」
「ん？」
カフェの閉店後。
きゃっきゃとはしゃぎながらタルト生地をつくっているりんこちゃんと良亮を厨房の片隅で見守っていたら、隣にそっと郁人が並んだ。
「俺って怖いのかな…」
さっきのりんこちゃんの発言が、よほど刺さっているみたいだ。しゅんとしていてなんかカワイイ。
「ふふ、気にしてんの？」
「そりゃあするだろ！怖がらせちゃったんだなー…」
「私は怖いなんて思ったことないけど」
「まじ？」
「まじ」
むしろ郁人は優しいなって思ってるよ。そう言うと、郁人は「お、おぉ…」と俯いて手先をもぞもぞ動かし出した。照れてる。
「まぁな、俺かっけぇからなー」
すぐに立ち直ってふざけ出すところはどうかと思うけど。でも。
「郁人の優しさはみんな分かってるよ」
素直にそう伝えたら郁人は再び俯いて、すん、と鼻を鳴らして小さな声で「…ありがと」と呟いた。
・
それから数十分。
カフェでお絵かきして遊んでいた良亮とりんこちゃんが、そろそろ焼きあがる頃、と厨房に向かっていった。
「危ないからここで待っててね」
と、良亮が言う。りんこちゃんはこくんと頷いて、大人しく厨房の前で待っている。
しばらくして、良亮がケーキの型ごと持って現れた。どうやらテーブルの上でひっくり返すらしい。塚ちゃんが、さっとカッティングボードをテーブルの上に置いた。
「いくよ、それっ」
良亮が、ぽん、と型をひっくり返す。
すると、つやつや輝くりんごが乗ったタルト・タタンが現れた。焼きたてで、ふわふわと湯気が昇っている。
それを見て、りんこちゃんの顔がふわっと綻ぶ。キラキラした瞳が、純粋で可愛いなと思った。
「わぁ、おいしそう…」
「郁人のレシピだから、おいしいのは当然だよ」
何故か良亮がどや顔でそう言って、包丁を取り出す。
さっきは、りんこちゃん一人のために小さな型を使ったようだけど、今度は一般的な、ホールケーキのサイズ感。
包丁を入れると、ざく、という音と共に香ばしいりんごの香りが広がった。
その香りにつられたように、それぞれの場所から、ぞろぞろとみんな集まってくる。
その時、カララン、と、ドアのベルが慌ただしく鳴った。
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ろっか(プロフ) - お話めいっぱい書きすぎてあとがき入れられませんでした！！この計画性の無さ！！なのでコメ欄で失礼します。お読み頂きありがとうございました！あとがきはTwitterにでも載せます(笑)…ろっか (2019年12月27日 0時) (
レス) id: 2af5960142 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ろっか | 作成日時：2019年11月3日 16時
