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ネイビーのワンピースに、白のバッグ。
ヒールは動きやすさ重視の、５ｃｍ。
髪はきりりと、一つに束ねてデキる女を意識。
更衣室の全身鏡で、もう一度、よし、と気合を入れる。
今日のこの恰好は、私の中の、五関部長の隣に立つ理想の女像。
パーティーの場でのマナーは一通り勉強したし、多分、大丈夫。
部長の邪魔をせぬよう、相手方に無礼の無いよう、気を付けるだけだ。
表の玄関にタクシーの手配が済んでいることを確認して、部長を迎えに行く。
「部長、お時間です。参りましょうか」
「…あぁ」
……なんて素敵なダーク・スーツ！！！！！
深い青色のネクタイと、チーフの色合いが合っていてとってもオシャレ。
部長かっこいい！！！と両手を上げて叫びだしたい気持ちをぐうう、と押し殺し、澄まし顔でエレベーターのボタンを押す。
そう待たずしてやってきた箱に乗り込み、『１』のボタンを押した所で、斜め後ろから「あ」という声が聞こえた。
「どうされました？忘れ物ですか？」
「や、違う」
扉が閉まるのとほぼ同時。部長の右手が、私に向かってすうっと伸びてきた。
思わず、びくっと肩をすくめる。
部長の指が、私の左耳にそっと触れた。
「青、ここにあったんだ、と思って」
さりげなく揺れる、ピアス。
部長が青いネクタイをすると聞いて、このお気に入りのサファイアを身に付けようと決めていた。
深い青色が、思ったよりもネクタイとチーフの色合いに似ていて、さっき密かにガッツポーズをしていたのだけど。
「合わせるって言った割に、青じゃねえなーと思って探してたわ」
そう言って笑う部長の顔があまりにも近くて、かあっと耳が赤くなるのが、自分でも分かった。
「え、あ、えっと」
「ん？あぁ、ごめん」
どうして良いか分からず俯く私に気付いて、部長は何を思ったか、そのまま私の耳を、親指でするりとひと撫でしてから、腕を下ろした。
「ひっ」
「耳、弱いのね」
くっくっく、と肩を揺らしながら、丁度良いタイミングで開いた扉から出ていく背中を、呆然と見つめる。
左耳が、熱くて熱くて、溶けてしまいそうだ。
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奏風(プロフ) - 初めまして。素敵な作品だったのですね。五関君の作品はあまりないので、見つけて嬉しかったです。お話もとっても素敵で、最後まで一気に読んでしまいました。 (2022年8月3日 12時) (
レス) @page5 id: 0c5b809cd3 (このIDを非表示/違反報告)
みき(プロフ) - 五関くんに引き続き、橋本くんと戸塚くんのストーリーも気になります。早く読んでみたいです。これからも、A.B.C-Zのストーリーを期待しています。 (2019年11月30日 0時) (レス) id: 5ca5d758c8 (このIDを非表示/違反報告)
ろっか(プロフ) - 妙子の娘さん» お久しぶりです〜！続けて読んでくださっていて嬉しい…！お待たせしてばかりですみません……もうちょっとさくさく書けるように努力します！笑 (2019年11月4日 0時) (レス) id: 2af5960142 (このIDを非表示/違反報告)
ろっか(プロフ) - ふーみんさん» ふーみんさん、ありがとうございます…！なんとお優しい……えびちゃんのお話、もっと増えて欲しいですよねぇ！キュンキュンして頂けるように、頑張ります！！ (2019年11月4日 0時) (レス) id: 2af5960142 (このIDを非表示/違反報告)
妙子の娘(プロフ) - お久しぶりです。今回も楽しく読ませて頂きました。早く続気が読みたいです。待ってまーす！ (2019年10月30日 22時) (レス) id: 3bfa5bcd50 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ろっか | 作成日時：2019年8月26日 0時
