続き ページ7
いざ告白するとなると緊張するな……
その数日後、類を呼び出した司は、校舎裏で類が来るのを待っていた。
うるさく鳴る心臓の音がよく聞こえる。
告白、するのか………いや、ちょっと待て、類はああ言っていたが、やっぱり告白すればオレ達の関係は壊れてしまうんじゃないか…?
類がオレのことを好きだなんて根拠もないのに、これは無謀なことなのかもしれない……
自信満々な司だったが、今では不安で下を向いてしまっている。
類に好きと言いたい…だが………
「…おや、待たせてしまったかな?」
司がそんなことを考えていると、校舎の陰から類が現れた。
「話があると言っていたけど、一体なんだい?」
「え、えーと…だな……」
司は類の言葉に目を泳がせる。
おい…!まだ心の準備も出来ていないというのに……
「……?」
類は不思議そうに司を見つめる。
「…………」
「………前、勇気を出すことが大事だと、オレに言ったよな……?」
「……ああ、言ったね。」
もう言うしかない……!!勇気を出せっ!オレ!!
「…類、オレはお前が好きだっ!!」
司は顔を赤らめながら、類の目を見てそう言い放った。
「………」
だが、類は喜びも悲しみもせず、ただ無言で立ち尽くしている。
くそっ…やはり予想通りか……急にこんなこと言われて、答えづらいよな……
「………や、やっぱり変だよなっ!オレは男なわけだし…ハハッ!忘れてくれ!!」
司はそう言って無理やり笑うと、はや歩きで類の横を通り過ぎ、その場から離れようとする。
すると突然、類に腕を掴まれた。
「な、なんだ………?」
司が類の方を振り返ると、そこには優しい笑顔の類がいた。
「司くんは変じゃない。」
「…む、ムリして励まさなくていいんだぞ…?」
司は類の手を払おうとするが、類はそれを遮って話を続けた。
「無理なんてしていないよ。…僕は、心底驚いていたんだ。」
「……どういうことだ…?」
司の言葉に類は一呼吸置くと、
「それはね、……僕も、司くんのことが好きだからだよ。」
そう言って笑ってみせた。
「……っ!?」
司は言葉が出てこない。
「司くん、勇気を出してくれてありがとう。本当は僕が言わないといけなかったのにね。」
類はそう言って微笑んだ。
「……る、類ぃっ……!」
司は嬉しさのあまり、目から涙が溢れ出した。
そして、類の胸に飛び込む。
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作成日時:2021年9月13日 1時