夢、揺蕩う虹。 (ページ10)

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緑side

寝室には相変わらず、綺麗な顔で眠る流星。
時刻は11：18分。

「起きれんかったら拗ねるやろなぁ」

付き合って1年記念日の前日、元々崩しかけてた体調が元に戻らんくて熱にうかされながら2日眠った流星。

起きた時、あの子は時計の日付を見て黙ったまま泣いた。
悔しくて、悔しくてしゃーないって。

『悔しいなぁ流星。』

青『っうん、』

俺の誕生日は奇跡的に規則正しい睡眠が取れて、普段の生活と変わらんように起きてられたけど今回はそうやない。

＂起きられなかった＂またそうなって泣いてしまった流星を見るのは彼氏としても、メンバーとしても耐えられへんから。

やから今回は流星の体くんには頑張って目覚めてもらわんとな、笑

「流星さーん、もうそろ12時なりますよ〜」
「起きてもらわな、泣いた流星宥めんの大変なんすわぁ」

流星の頭をゆっくりと撫でながら呼びかけてみる。

「流星が褒めてくれたからあげも、お誕生日に呑もうと思って買っといたお酒もあるよ」

目を覚ました時に、星空みたいな目を輝かせてほしくて。

でも、どれだけ呼びかけても流星の瞼はピクリとも動かない。

ここまで来たら、1度あれを試してみよう
別に自分はおとぎ話を信じる訳じゃないけれど。

誰かに弁解しなきゃいけないわけでもないのに、自分の頭の中では言い訳のような言葉がずるずると出てくる。

「恥ずかしがってちゃあかんやろ……… 」

「神山智洋、男になれ！」

そして俺はおとぎ話に出てくる王子様のような気持ちで、眠り続ける流星の唇に、キスを落とした。

「 ……ま、これで起きたらとんだおとぎ話……… 」

そう言いかけたところで、流星の指がぴくりと動いた。

閉じられた瞼に、きゅっと力が入れられ、持ち上がる。

青「んぅ…………… 」

「っりゅうせ、？！」

思わず大きな声が出てしまうけれど、3日間動いている流星を見られなかったんだから許して欲しい。

流星は目を擦りながら、俺を見つめて微笑む。

青「んー…………かみちゃ、おはよ、」

気づけば、18日の0時になっていた。

「っはは、流星、HappyBirthday ！」

青「、！」

ぱぁっと、子供のように目が見開かれる。

あぁ、俺は流星のこの顔が大好きだ。

青「ありがとう！大好き、！」

そう言って抱きついてきた流星を思い切り抱きしめ、また俺は君に、キスをした。