選 択 肢 。 ≪ Yuri.C ≫

最終崩壊42. 結びの心 ページ42

翌日＿＿＿




ぼーっとしながら授業を受けて。

授業が終わると背後からキツめのパンチを食らった。






『ちょ…痛いんだけど』


すると何かを思い出したかのように私を見た侑李さん。





「僕のこと下の名前で呼べるように…なった？」


『侑李…さん』



「…偉いじゃん」


私がそう言うと嬉しそうに微笑む侑李さん。

そんな顔されたら少しだけ期待してしまう。



もうこの気持ちを伝えるのは今日しかないのではないか。



そう思った私は軽く決心した。



……


放課後＿＿＿





侑李さんの隣をとぼとぼと歩く。

少しだけ沈黙が続いて気まずい。





「ねぇ…」


そんな沈黙は侑李さんによってかき消された。




『…何？』


「もし…僕がAに一目惚れしたって言ったらどう思う？」


突然そんなことを聞かれたもんだから焦る。

…もしそれが本当だったら。



一目惚れって…あるわけないよね。

そう自分に言い聞かせる。




うん、そのはず。






『…私…侑李くんのこと好きだよ。』


「……え？」


…ん？私今何て言った？

好きって…もしかして告った！？




焦る気持ちと高まる鼓動。





「いや…冗談とかからかいとかいいよ。」


私の言葉を冗談と受け止めたのか。

突然そんなことを言い出した侑李くん。




その姿に無性に腹が立って。





私は思わず自分の唇を知念くんの唇に押し付けた。





「…んっ……」


しばらくして侑李くんと唇を離す。




『私が冗談でキスなんかすると思う？』


あれ…なんか立場逆転してるじゃん。

でもなんか新鮮。





「いいの？」


『何が？』



「僕…本気になるよ？」


『なれば？』


私がそう言うと後頭部に侑李くんの腕が回ってきて。

ぐいっと引き寄せられてそのまま強引に唇が重なった。




少し苦しくなって侑李くんの胸板を押すとゆっくり離してくれて。




「僕も好きだよ」




確かにそう言ってくれた。



……


侑李くんと手を繋いで歩く。





『ふふっ…侑李。』


「Aちょっと生意気だよ？」



『侑李よりはマシです！』


「あんまりからかうとその口塞ぐよ？」



『うう…すみません。』






きっと私たちはこの先もこんな感じなのだろう。








私たちに別れるという"選択肢"はないのだから。









侑李さん…たまには私にも"選択"させてくださいね。









fin.

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