選 択 肢 。 ≪ Yuri.C ≫

崩壊31. 意識してしまう ページ31

月曜日。


眠い頭を何とか起こしながら学校へと向かう。

隣を歩く大貴も眠いのか軽くあくびをする。




そしていつものように教室に入り、

いつものように自分の席へと腰掛ける。



どれだけ眠くても挨拶はする派。

周りの席の子たちに適当に挨拶をする。





「へぇ、僕には挨拶しないんだ？」


後ろから毎日のように聞く声。

やばい…色んな意味で心臓ばくばく。




『あ…はは……そういえばさ、この前のドラマ…』


何とか話題を変えようとこの前見た恋愛ドラマの話をしようとしたが。

呆気なく頬を掴まれて失敗。




「挨拶しない上に、

僕の質問を無視して話題変えるとか…許されるとでも思った？」


そう言って微笑む知念くん。



うう…顔近いし…至近距離で目合うし……やばいいぃい。

何とか目を合わせないようにと視線を逸らす。




けど…頬を掴まれて無理矢理知念くんの方を向かされて。

必然的に目が合ってしまう。





「何で目逸らすの」


そう言って不満そうに私の顔を見る知念くん。

何で逸らすって…知念くんの目が見れないからに決まってるじゃないか。



まぁ…そんなこと言えるはずもなく。




「僕のことそんなに嫌い？」


そう言って真剣な表情で私を見る。

ここで嫌いといったら少なくともお仕置き執行だろうな。




『嫌い…じゃないです』


"普通"と言おうとしたのに自然と出た言葉。

"嫌いじゃない"ってまるで"好き"って言ってるみたいじゃん。



すると知念くんは手を離してくれて。

あ…きもがられたかな。





そう思いながら伏せていた顔を上げる。

すると目の前にはほんのり顔を赤く染めた知念くん。





『え…顔赤い』


「まさかAがそう言うと思わなかったからびっくりしただけ」


そう言って自分の席へと腰掛ける知念くん。

でもそんな知念くんの顔はみるみるうちに赤くなって。



意外とシャイなの？





『へぇ、知念くんって意外と照れ屋だったんだね』


少しだけそんな意地悪を言ってみる。

すると思い切り髪をぐしゃぐしゃにされて。





「そんな生意気なこと言うんだったらお仕置き執行するよ？」








そんなことを言いながらもまだ顔が赤い。









そんな新しい一面見たら…また意識するかもなぁ。

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