崩壊30. 分からない ページ30
翌日。
今日は土曜日。
部活もオフで特に用事もなくただただ家でごろごろ。
リビングで恋愛ドラマを見る。
≪ 絶対好きにならないと思っていた男に恋をした ≫
そんな声がテレビから聞こえてきて。
思わず飲んでいたお茶を吹いてしまった。
…やばい、最近の私はおかしい。
「テレビ見てお茶吹いてる暇あったら洗い物してよ?
お兄ちゃんより勉強できるあんたは"有利"なんだから!」
そう言って洗濯物を取り出すお母さん。
有利…ゆうり……侑李。
『うぁああああ!』
動揺した私は思わずソファから崩れ落ちる。
そしてがちゃと開いた玄関のドア。
「お母さん、お向かいの"知念"さんから回覧版きてた」
そう言ってだるそうに回覧版を持ってきたお兄ちゃん。
『知念!?』
またしても動揺して机に頭をぶつけてしまう。
……今日はおかしい。
「ご近所の知念さんよ。
あんたいつもお世話になってるじゃない。」
そんなお母さんの言葉で思い出す。
そっか…お向かいのお宅、知念って言うんだった。
知念くんと放課後デート?をしたあの日からどうやらおかしい。
学校でも知念くんの目を見れなくなったり。
もしかして私は知念くんのことが好き…なのか?
そんなことを思いながらこの間知念くんにもらった、
クマの人形のころちゃんを見つめる。
ないないないない…!
まさかあんなやつのこと好きになるなんてないよね。
そんなことを思っているとぴんぽーんと盛大にインターホンが鳴って。
もしかして…知念くんとか?
そう思うと自然に心拍数が上がっていって。
私はそっと玄関に近づいた。
……
「ふぁ、やっぱりAの部屋落ち着く」
そんなことを言いながら私のベッドの上に乗る…大貴。
結局インターホンを鳴らしたのは大貴で。
暇だから私の家に遊びに来たらしい。
「……なぁ」
静かになった私の部屋でそんな大貴の声が響く。
『ん?』
「今度テストあるじゃん」
『現実を突き刺すようなこと言わないでよ』
「もしさ…俺が良い点取ったら……何でも言うこと聞いてくれる?」
そう言って私のころちゃんを触りながらこちらを見た大貴。
『はいはい、分かりました』
大貴のことだからアイスの奢りとかかな…なんて呑気に考える私。
…このときの私は馬鹿だったんでしょうか。
422人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ぷりちぃ(プロフ) - あいたんさん» 初めまして、コメントありがとうございます(*^-^*)そう言ってくれるととても嬉しいです!ありがとうございます!ぜひビターの方も目を通してみてくださいね! (2018年7月26日 15時) (レス) id: b7b6eb2e08 (このIDを非表示/違反報告)
あいたん(プロフ) - とても面白かったです!ビターも読んでみます。 (2018年7月25日 20時) (レス) id: 3fe7b8df74 (このIDを非表示/違反報告)
ぷりちぃ(プロフ) - 武井リオさん» 初めまして。コメントありがとうございます(*´▽`*)そう言ってくださって嬉しいです!知念くんファンなんですね!また次回作は知念くんで検討させていただきます!心温かいコメントありがとうございました! (2018年4月13日 16時) (レス) id: b7b6eb2e08 (このIDを非表示/違反報告)
武井リオ - とっても面白かったです!私は知念くんファンなので、また知念くんメインのお話希望です・・・ (2018年4月12日 18時) (レス) id: 20305051ed (このIDを非表示/違反報告)
ぷりちぃ(プロフ) - ふみさん» 初めまして。コメントありがとうございます('ω')そう言っていただけて感謝感激です!また機会があれば書きたいと思いますので、そのときまで待っていただけると嬉しいです! (2018年1月31日 16時) (レス) id: b7b6eb2e08 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ぷりちぃ | 作成日時:2017年12月20日 15時