涼介STORY02. 落ち着く ページ34
『わぁ、綺麗!』
その青い海は少し暗い夜のせいで余計輝いて見えた。
「ここ、俺の秘密基地なんだ」
そう言って砂浜のベンチにそっと腰掛ける涼介くん。
私も涼介くんの隣に座った。
しばらく何も喋らない静かな時間が流れる。
ただ聞こえるのは海が流れるザザァンと言う気持ち良い音だけ。
だけど、私はその沈黙の時間も悪くなくて。
むしろ何だか心が落ち着いて心地良い。
すると、目に入ってきたのは真っ暗な空に光り輝く星。
『わぁ!見て!すごい星綺麗だよ』
ついたまらなくなって子供っぽくはしゃいでしまう。
「うん…あれはね牡羊座だよ」
『へぇ!そうなんだ』
「あれはてんびん座…あれはふたご座で……」
そう話していると、急に我に返ったかのようにハッとする涼介くん。
「ごっ、ごめんね。こんなの…聞きたくなかったよね」
そんなことを言いながら下を向く涼介くん。
『ううん、私は…涼介くんだったら何話してくれても嬉しいよ?』
「…え、それってどうゆう……」
『もう遅いかもしれないけど…私涼介くんのことが好きだから』
無意識のうちに出ていた爆弾発言。
でも事実なのだから仕方がない__
「……」
すると、俯いたまま何も喋らなくなる涼介くん。
ねぇ__今どんな顔してるの?
何も喋らなくなるものだから、
恥ずかしくなって思わずその場に立ち上がってしまう。
『あぁ、やっぱごめん!今の忘れて___』
そう言おうとしたと同時に後ろから抱きしめられる。
涼介くんの腕の力はどんどん強くなっていく。
でも不思議と痛くなくて。
『ね、ねぇ?涼介くん顔見せて?』
「…やだ」
『……照れてるの?』
「…Aちゃんはずるいよ」
『えぇ!なんでよ!?』
それから私をクルッと回転して涼介くんの方に向けさせられる。
「俺も……好きです」
最初は真剣な目をしていたけど、
徐々に顔が赤くなっていく涼介くん。
何だか、からかいたくなって___
『え?なんて?』
「もう言わない!」
『えぇ!あと1回だけ!』
「だから!Aちゃんのことが好きだって言ってるの」
そうして私達の唇がそっと重なった。
大貴のことは少しだけ胸に残るけど、
きっと大貴は笑顔でおめでとう。って言ってくれるよね。
その海の空には綺麗な流れ星が走っていった。
fin.
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ぷりちぃ(プロフ) - コメントありがとうございます(ノ∀`●)私自身も小説を書きながら三角関係は素敵だなと思いました(笑)良かったです!またぜひ読んでみてくださいね♪♪ (2016年12月29日 16時) (レス) id: abc5f4f025 (このIDを非表示/違反報告)
やさきみ(プロフ) - 三角関係すごく素敵ですね!終わり方が2パターンあってすごく読みやすかったです!完結おめでとうございます♪ (2016年12月29日 15時) (レス) id: abc5f4f025 (このIDを非表示/違反報告)
ぷりちぃ(プロフ) - ありねんさん» 初めまして!コメントありがとうございます(*^▽^*)コメントして頂けるのは初めてですごく嬉しいです!これからも読者様がきゅんきゅんするようなお話を書きたいと思いますので、ご愛読よろしくお願いします! (2016年12月18日 9時) (レス) id: b7b6eb2e08 (このIDを非表示/違反報告)
ありねん - きゅんきゅんしています!更新頑張ってください! (2016年12月18日 7時) (レス) id: bc633c168d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぷりちぃ | 作成日時:2016年12月7日 20時