三角関係27. 決意 ページ27
大貴side
熱が出て倒れていたとき__
俺は誰かに抱きかかえられたまま、
何かふわふわしたものに寝かされた。
『はぁ、はぁ……』
なぜか息切れが止まらなくて、身体全体が熱くて苦しい。
すると、おでこに何か冷たい感触がした。
「っ…!す、すごい熱!」
そんな声が聞こえる。……だれ?
「と、とにかく…何か冷やすもの…」
そう言って誰かにポケットを探られ、
俺が大事にしていたタオルが取り出された。
しばらくすると、おでこにひんやりと冷たいものがのった。
きっと俺が大事なタオルがのっていってるんだ。
その後も頭を持ち上げられて、さらに冷たいものが置かれる。
『ん…つめた…』
冷たくて思わず拒絶しそうになったけど、
大事なタオルがおでこにのっている安心感もあって
何だかその冷たさがどこか心地よくてそっと夢の中へ駆け込んだ。
……
『んっ…あれ?俺…』
目を開くと見たことない天井…
「大貴!試合勝ったよ!やったね!」
ふと横を見ると、笑顔で話しかけてくるA。
…あぁ。そうか、ここは夢の中か。
夢の中なら少しぐらい俺のものになってくれてもいいよな?
『はっ…はぁ、A』
こうしてAを
ベッドに押し倒した俺はAに強引にキスをした。
……
あの熱から1週間__
朝玄関を出ると、Aがいなくて。
学校に行くと、もうすでに教室にいた。
…俺なんか悪いことしたのかな。
ボーッと廊下を歩いていると、
目の前にいる女子達が何やら噂話をしている。
「この前のサッカー試合、
有岡くんが倒れたところをAが助けたんだって!」
「あー、それ私見た!お姫様抱っこしてたよ(笑)」
「お似合いだよねー、早く付き合っちゃえばいいのにー」
しばらく隠れて聞いていると、
何だかこの間の状況を思い出してきて…あのキスは夢の中じゃなかったって。
俺は一目散に教室へ駆け込んだ。
……
昼休みにAを呼び出して、
裏庭のベンチで他愛のない会話をする。
『この前、キスなんかしてごめん』
言わなきゃいけないと思ったことを言う。
「いやいや!顔上げてよ。
謝るのはこっちの方だよ、ごめんね。私なんかとキスすることになって…」
『いや…俺は嫌なんかじゃなかったよ』
「え?」
『だって俺……ずっとAのことが好きだったから』
フラれてもいいから__伝わってよ。
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ぷりちぃ(プロフ) - コメントありがとうございます(ノ∀`●)私自身も小説を書きながら三角関係は素敵だなと思いました(笑)良かったです!またぜひ読んでみてくださいね♪♪ (2016年12月29日 16時) (レス) id: abc5f4f025 (このIDを非表示/違反報告)
やさきみ(プロフ) - 三角関係すごく素敵ですね!終わり方が2パターンあってすごく読みやすかったです!完結おめでとうございます♪ (2016年12月29日 15時) (レス) id: abc5f4f025 (このIDを非表示/違反報告)
ぷりちぃ(プロフ) - ありねんさん» 初めまして!コメントありがとうございます(*^▽^*)コメントして頂けるのは初めてですごく嬉しいです!これからも読者様がきゅんきゅんするようなお話を書きたいと思いますので、ご愛読よろしくお願いします! (2016年12月18日 9時) (レス) id: b7b6eb2e08 (このIDを非表示/違反報告)
ありねん - きゅんきゅんしています!更新頑張ってください! (2016年12月18日 7時) (レス) id: bc633c168d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぷりちぃ | 作成日時:2016年12月7日 20時