幼馴染と私と友達 ≪ R.Y ＆ D.A ≫

三角関係21. 心配 ページ21

あれから更衣室で制服に着替え直した私。


千秋ちゃんは彼氏との予定が入ったみたいで早々と帰っていった。



更衣室で着替えていても更衣室から出ても、


≪ やっぱりAちゃんは大貴みたいな人がタイプなんだね ≫


≪ やっぱり俺なんかじゃだめなのかな ≫



そんな涼介くんの言葉が頭から離れない。



…別に大貴のこと好きなわけじゃないし。

それにそんな期待するようなこと言われたらどうしたらいいか分かんないよ。



そんなことを考えながらボーッと歩いている。


すると、誰もいないはずのサッカーコートからガサガサと音がする。



『だ、誰だろう…？』



そう思い、恐る恐るコートの方を見てみると＿＿


そこにはボールを蹴る大貴の姿が。

大貴の蹴ったボールはそのまま綺麗にゴールへと入っていく。



「はぁ…はぁ」


大分、練習していたのか息も切れていて汗もすごく出ている。

その汗を服で拭き取る大貴。



『大貴！何してんの、そんなところで』


大貴の名前を呼ぶと、振り向く大貴。

その瞬間すごく笑顔になるからすごく可愛らしい。



「試合に勝つための練習に決まってんだろ！」


『でも、自主練するなんてほんと偉いね』


「だってあの日からさ、試合に出てもロクな結果残せてないじゃん。

だから今度の試合は絶対勝つって決めてるんだよ！」


『そっか…でも、大貴まだ帰らないの？』


私がそう問いかけると、少し悩んだような顔をする大貴。



「いや、俺はまだもうちょっと練習して帰るよ」


そう言ってボールを取りに行く大貴。



そんな大貴の首にそっとタオルを掛けた。

3年前に趣味でタオルを作って飽きることなくずっと使っていた私のタオル。



『無理だけは…しないで…ね？』


そう言うと少しだけ顔を赤く染める大貴。



「お、おう…このタオル…くれんの？」


『うん！試合の時のお守り！勝てるように頑張ってね』


「あ、ありがと…」



そう言う大貴は照れていたけれど、とても嬉しそうだった。





……

あれから大貴はまだ練習するというので、

私は先に帰ることになった。



家に帰宅後、すぐさまベッドにバフッと勢いよくダイブする。



ふとカレンダーを見ると、試合の日が目に入る。




『大貴……勝てるといいなぁ』



そう思いながら窓のカーテンを開けると、雨が激しく降っていた。

厳しく叩きつけるようなキツい雨。





『大貴…大丈夫かな』








少しだけ心配になった。

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