103 ページ5
鶴丸は、私を抱き寄せる。
「君をこんな目に合わせて、すまない。」
「いいですよ別に。自分の意思でやった事ですから。」
「はは。俺が君を守らなきゃいけないのに、逆に守られるなんてな。俺はあの女と同じく、親失格だな。」
「そんな事はありません！」
私は顔をちゃんと見て話す。
「鶴丸はいつもいつも私を守ってくれました！貴方は親としても、刀剣男士としても立派です！」
「……そうか。」
ふ、と笑うと、鶴丸は私から離れる。
「鶴丸……？」
「審神者、君は帰れ。」
「君は、って鶴丸は？」
「俺は……ここに残る。」
そう言って鶴丸が地面に手をつけると、枯れ木のようだった花の色は、全て鮮やかな色へと変わる。
すると、私の胸の中が一気に解放されたような、軽くなったような感じがした。
「何で……？鶴丸も一緒に！」
「俺が残らないと、君が戻れないんだ。」
「嫌です！鶴丸が戻らないなら私も……！」
「審神者。」
鶴丸は手をかざした。
「君の帰りを待っている者たちがいる。あいつらを、よろしくな。」
そう言った後、私の前の空間は段々と歪んでいく。
「待って！待って鶴丸！」
必死に手を伸ばすが、歪んでいく空間は私の手を弾く。
「最後に。」
「待って……。」
「俺は君の親だが君の真名を知らない。」
「私の真名は……！」
「だから、せめてこう呼ばせてくれ。『主』。」
「！」
「ははっ。どうだ？驚いたか？」
何で……。
何で今……！
「じゃあな主。……俺の方こそ、今までありがとうな！」
鶴丸の笑顔を最後に、私の意識は途切れた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 50人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
リン(プロフ) - 心配ありがとうございます！ｗｗでも、泣かないのは無理かも...ｗｗこれからも良い作品を期待してます！！ (2022年3月30日 12時) (
レス) id: 4c69a0ba50 (このIDを非表示/違反報告)
桜花(プロフ) - リンさん» 感想ありがとうございます！そんなに泣いたんですか！？それだけリンさんの心を動かせる作品になってよかったです！ただし泣きすぎには注意してください笑 (2022年3月29日 19時) (レス) id: 3cb832e357 (このIDを非表示/違反報告)
リン(プロフ) - マジで感動しました！！ですが...次の日、泣きすぎて顔がすごいことになりました！ｗｗ(つまり、すごかったってことですね！！） (2022年3月29日 15時) (レス) @page13 id: 4c69a0ba50 (このIDを非表示/違反報告)
桜花(プロフ) - 無銘さん» ありがとうございます！そう言っていただけて嬉しいです！ (2022年3月29日 7時) (レス) id: 3cb832e357 (このIDを非表示/違反報告)
無銘 - 最高でした！とってもおもしろかったです!! (2022年3月29日 1時) (レス) @page13 id: d15eb96a1c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：桜花 | 作成日時：2022年3月4日 0時
