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「……。」
あれから4日経つが、まだ霊力は半分以上にも満たなかった。
それだけ彼の霊力は根こそぎ盗られていたのだろう。
よく折れずに済んだな…。
顔色はだいぶ良くなってきた。
この調子でどんどん霊力を与えていけば近いうちに目を覚ますだろう。
シュンっ！！
…何？
私の左頬が切れている。
後ろを向くと、そこには女装した刀剣男士がいた。
「あんた、何してんの？」
「彼に霊力を与えています。」
「嘘つけ！！！どうせ何か悪いものでも送り込んでるんでしょ！！！」
「疑うなら確かめてみてください。」
私は今剣から離れる。
彼は今剣のもとへかけより、体を触る。
驚いた顔をしている。
何もやましいことはしていないと証明されたのだろう。
「…でも、僕には分からない何かを……。」
「くどいです。わかったなら離れてください。続きをやりますので。」
そう言うと、彼は私を睨みつける。
「何そのすました顔。ムカつく…。」
彼は私に襲いかかる。
「僕たちから色んな物を奪ったくせに！！！僕から、兄弟を！！！」
「やめろ乱！！！」
鶴丸が止めに入るが、それより先に私は彼の本体を持っていた方の手を制する。
「落ち着きなさい。私をよく見て。前の審神者とは別人でしょう？」
「でも…！！！」
「殺る気なら外に出ましょう。今剣に刃が当たったらどうするんですか。」
「……っ！」
彼はその場に座り込む。
少しは冷静になったようだ。
「乱、気持ちは分かるが、こいつは今剣の霊力を回復してくれている。危害はまだ加えていないのだから、今一度様子を見るのが得策じゃないか？」
「後で犠牲者が出たらどうすんの？」
「出さない為に俺がいつでも斬れるよう傍にいる。安心しろ。」
そう言うと、乱と呼ばれた刀剣男士は歯を食いしばる。
「…今剣に何かしたら許さないから。」
そうして、彼は部屋を出た。
…嵐が過ぎ去ったか。
私は引き続き今剣に霊力を与える。
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作者名：桜花 | 作成日時：2020年4月24日 0時
