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「そうでしたか…。」
ほたる饅頭に毒、か……。
いつそんな物を仕込んだのか知らないけどよりによって何で蛍丸に…。
「俺らに言えばあの審神者追っかけて殺してやったのに。」
「それじゃあかんのですわ。……自分の手でやりたかったんで。」
「殺すのはダメですよ。」
「わあってます。そうせんとあんた会わせてくれへんのやろ？」
私は頷く。
「その代わり、彼女を逮捕させ、審神者としての資格を剥奪します。どんな理由にしろ、審神者が刀剣男士を傷つけるなんてあってはなりません。証拠はありますか？」
「あるとしたら、蛍丸の遺体ぐらいやなあ。」
「錆びついていることから毒で故意に殺されたのは判明しても、誰が殺したかまでは立証出来ませんね…。自首して貰えれば1番なんですが。」
とにかく、彼女と話すしかないな…。
今日も万屋にいればいいのだけど。
「……明石。」
鶴丸が折れた短刀を差し出した。
「これ、愛染国俊……！？どこで見つけたん！？」
「地下室でだ。……前の審神者に霊力を限界まで吸われて…。」
今剣と同じところに？
気が付かなかったな…。
「そうか…。……おおきに。」
明石は折れた愛染を抱きしめる。
「…万屋へ行ったら、ついでに苗木を買いましょう。」
「苗木？」
「私たちが暮らしていた所では、遺体の上に木を植えると、その遺体の魂が木に宿る、という話があります。この話のように愛染と蛍丸と一緒に植えれば、育った木に2人の魂が宿り、貴方はいつでも2人とお話出来るようになると思います。」
そう、学校の道徳の時間で教わった。
あくまで人間での話だったが、付喪神だって例外ではないはず。
「そうなんか。……話せたら、ええなぁ。」
明石は遠くを見つめる。
私は立ちあがる。
……膝裏がまだ痛む。
しかしそんな事は気にならない。
「そうと決まれば、行きましょう。万屋へ。」
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作者名：桜花 | 作成日時：2020年4月24日 0時
