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「ただいま。」
「おかえり主さん！」
乱が出迎えてくれる。
今日は鶴丸と万屋に行ってきた。
そろそろ時間遡行軍と戦いに行かせなければと思い、資材やお守りを買ってきたのだ。
「主さん、その袋なーに？」
「ああ、これは先輩の審神者に貰った『ほたる饅頭』です。いっぱい貰ったので、皆で分けて食べましょう。」
「ほんと！？やったあー！！」
乱は飛び跳ねて喜ぶ。
無邪気で何とも可愛らしい。
乱は本丸の皆に伝えに行く。
「あーいつ…。まだ人数分あるか分からねぇのに。」
「これだけあれば足りるでしょう。」
何せ3袋分も貰ってきてしまったのだから。
むしろ余るのでは…？
私は資材とお守りを各部屋に置き、ほたる饅頭を居間の机に置いた。
すると、どこからか乱たち藤四郎兄弟が現れ、早速ほたる饅頭を取っていく。
「主、これ美味しいですね！」
「それはよかったです。」
「主殿は食べないのか？」
「私は残った分だけでいいです。」
「んじゃ皆！大将の分多めに残そーぜ！」
「「「「賛成！」」」」
多めにって、、、
私を太らせる気ですか。
全くもう……。
「お、珍しく大将が笑ってるぜ。」
「ほんとだ！」
ああ、またか。
最近表情筋が緩みきってる気がする。
「あ、真顔に戻っちゃいました。」
「えー、僕主さんの笑顔好きなんだけどなー。」
そう言われても…。
「審神者、身を任せろって言ったろ？」
「それはそうなんですが、いざ意識すると恥ずかしくなるというか…。」
「はぁ……。これが人間の『思春期』って奴なのか……？」
彼らを助けて、打ち解けてからというもの、胸の奥に暖かいものを感じるようになった。
情は移らないと思っていたのに。
知れば知るほど厄介な子たちだ。
そう思えば、私はまた自然と微笑んでしまうのだった。
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作者名：桜花 | 作成日時：2020年4月24日 0時
