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私は今日、審神者になった。
施設で育っていた私に高い霊力が備わっていたとかで強制的に。
高校進学するつもりだったが、こちらの仕事の方が学業より大事だと言われ、私の青春は奪われた。
今日から死ぬまで本丸で暮らしながら仕事をしなければならない。
『刀剣男士』とやらを沢山呼べば、少なくとも退屈はしないはずだと言われたけど、一体どんな人たちなのかしら…。
私は今日から自分の本丸となる所へ行く。
_____
…えっと。
審神者は刀剣男士を霊力で呼ぶものだと聞いたけど。
何で私の本丸には既にいるのかしら。
しかもこの本丸嫌な感じがする。
邪気がするというかなんというか。
ヒュッ!
…何?
私の後ろ髪が斬られたと同時に私のうなじから温かい液体が流れる。
後ろを振り向くと、そこには白く輝く男性がいた。
「よっ。驚いたか審神者?」
「…いきなり何の真似ですか。」
「いやあ、あんたを殺そうとしてたんだがな。ちょいと距離が遠かったようだ。」
…殺そうとした?
刀剣男士は基本審神者に危害を加えないものだと把握していたのだけど。
「私、貴方がたに何かした覚えは無いのですが。」
「あー、確かにお前は何もしなかった。それは皆分かってる。…だが、俺らは審神者という奴らが大っ嫌いでね。」
彼は刀を私の首元に当てる。
「審神者は誰であろうと殺したくなってしまう。」
その笑みは、狂気さを含めた恐ろしいものだった。
…私、ここで死ぬのかしら。
今まで目立たず大人しく生きてきたのに…。
「……。」
そう思っていると、彼は刀をしまった。
どうしたのか。
「反応を見る限りじゃあんた、政府に騙された口か。」
「騙された…?」
一体どういうこと…?
「ここに連れてこられて、同情するよ。それに免じて、今はあんたを斬らないでおく。」
よく分からないが、とりあえず助かった…。
私はホッと胸を撫で下ろす。
「その代わり、俺はあんたをいつでも見張る。あんたが他の刀剣男士に何かしたらすぐに殺すから、下手な真似はしない方が身のためだぞ。」
「わかりました。」
これからの私の審神者生活
一波乱起きそうな予感しかしない…。
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作者名:桜花 | 作成日時:2020年4月24日 0時