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ガラッ
「お、たいしょ……ってなんだその手！？鶴丸も！！」
「少し色々ありましてね。手当てをお願いできますか？」
「お安い御用だ！ちょっと待ってろ！」
薬研は部屋の奥へいく。
「…なあ審神者。三日月に斬られたあんたは何だったんだ？」
「ああ、あれは式神です。」
式神に私の身代わりをさせた。
そして攻撃されたら三日月の動きを封じるように命じた。
「じゃ、あんたはあの時どこいたんだ？」
「天井に張り付いてました。」
「天井！？」
「霊力を使いました。」
霊力って何でも有りだな…。と驚く鶴丸。
そんな話をしていると、薬研が救急箱を持ってきてくれた。
手ぇ見せろ。と言われ、右手を差し出した。
「刀で刺されたのか！？」
「少しヘマをしましてね。」
「大将よくそんな涼しい顔してられんな……。」
そう言いながら、薬研は丁寧に治療してくれる。
「何があったか知らねぇが、あんま無茶すんなよ？ただでさえ人の身は脆いからな。」
「それは貴方がたもですよ。」
「ははっ、そうだな。」
包帯を巻き、手当ては完了する。
「さて、鶴丸は手入れ部屋へ行ってからだ。」
「薬研、彼らの手入れは私がやりますので。」
「『彼ら』…？他に誰か怪我してんのか？」
私は頷く。
「なら尚更、俺っちが手伝わねぇと。手入れも大変だろ？」
「それはそうですが…。」
審神者の仕事を彼に手伝わせてもいいのだろうか。
自分の仕事でも無いのに。
薬研は期待するような目でこちらを見る。
…仕方ない、か。
「……では、宜しくお願いします。」
「おう、任せとけ！」
薬研は嬉しそうだ。
他人の仕事を手伝わなければならないというのに、何故彼は嬉しがるのか。
私には分からない。
私は、薬研と鶴丸と共に手入れ部屋に向かう。
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作者名：桜花 | 作成日時：2020年4月24日 0時
