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第11話 ページ11

きょうは雨…だったな。




カバンの中に折りたたみをみて



今朝方、アパートを出た自分を思い出した。



品出しを終えて品のチェックに移ろうとしたとき



店長から呼び出しがあった



ごめんね萩嶺くん。


きょうまでのこれ、ね…。



え、どういうことですか??



ほんとごめんね。



正社員を切るわけには行かないんだ。



上には逆らえないから…



ほんとごめんと下げられた頭を見て、


これがリストラってやつかって思った。




大丈夫ですよ店長。



きょうまでありがとうございました




ここの給料も上がりにくくなったこともあり



人手不足だと言うのに切られたのだから、



売れ行きもさほど良くないことも把握済みだ。



仕事着と名札を机に置いて挨拶をして



更衣室からでる。



外への扉を少し開けると



ヒヤッとした風が



俺をすり抜け中に入っていく。



冷たい雨にかじかむ手を少しでも



和らげようとポケット突っ込んで



肩をすぼめて人の流れに身を任せる。



秋になったばかりだと言うのに夜は寒いなぁ。




ぐるぐる回る蛇の腹ん中はスーツを着た人、



着飾った人、女子高生、男子高校生。




見渡す隙間なんてないんだけど…




あっ!すっすみませんっっ!!


…いえ。うわ、足踏まれた。



舌打ちするやつもいるけど



つくづく不愉快を煽られる。


今隣にいるのはくたびれたスーツの人だ。



サラリーマンかな。大変そうだ。



俺はこの帰宅ラッシュに乗って



もうひとつの職場へ向かう。



おはようございます。



おはよう、きょうもよろしくね♡



はい、よろしくお願いします…


なんか機嫌いいですね?



そうなの〜わかる〜??なんとねっ!!



もうその話いいよー



だって自慢したいじゃなーい?



ははは、と愛想笑いしてしまった

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作者名:敬語ペンギン | 作成日時:2019年12月19日 19時

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