褒美 “red” ページ28
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side red
最近の北斗の口癖は、
「頑張ったからご褒美ちょうだい」だ
いや正直めっちゃ可愛い
しかもこのご褒美は大体北斗の好きなキャラクターのぬいぐるみとか駄菓子とか
そんな些細で大したものじゃ無いもの
慎太郎から聞いたところによると、樹が教えたらしいんだけど…
「ねぇ、樹。北斗に何言ったの？」
「え？ナイショ。でも可愛いだろあいつ、言われた通りにしてて」
「…可愛いけど北斗のことあいつとかいうのやめて」
「ハイハイ、」
何ではぐらかされて全然教えてくれなかった
でも、とりあえず毎回ご褒美を強請ってくる北斗はめっちゃ可愛い！
「ねぇージェシー」
「どうした？」
今だって、俺にもたれかかりながらソファーに座って
話しかけるために見上げてくるのが可愛くて仕方ない
「今日ねぇセリフ4ページ分あったの」
「え？1シーンで？」
「そう。俺頑張ったよね？」
「すごい頑張ったよ！北斗すごい！」
「でしょ？じゃー…ご褒美ちょうだい？」
下から見上げてその発言して大丈夫？とは思うけど、
樹の入れ知恵なのか、一向に北斗がこの言葉を止めることは無い
「今日は何が欲しいの？」
「あのさーあの辛いお菓子！コンビニで売ってるやつ！」
「あぁ、北斗が好きなやつね」
今回のご褒美はコンビニで売ってる辛いお菓子、らしい
いつもは北斗が望むご褒美をあげてきたんだけど…
今日は少し、俺もいい思いがしたい
「北斗、今日それないんだ」
「あーそっか、じゃあ違うの食べるかなぁ」
「そうだね、今日は代わりに」
そう言って顔を斜め上に向けたままの北斗の右耳に手を添える
そのまま俺の顔に引き寄せ、唇を奪った
「ひぇ、」
小さな声が聞こえたかと思えば、そのまま互いの唇に全部の音は飲み込まれていく
声も、息も、全部全部流さずにしっかりと飲み込んでいく
「…ジェ、スっ」
少しして唇を解放すれば、息も絶え絶えになった北斗
「ご褒美、今日はこれじゃだめ？」
「…んぅ、ちょっと疲れちゃったよ…」
キスの最中に息をするのが苦手な北斗は、俺とキスする度に体力が奪われていくみたい
そんなところももちろん可愛くて好き
力の抜けた北斗の手を引き、そのまま足の上に乗せた
「重いよ」
「重くない」
「…ジェシ、もう疲れちゃった。寝よ？」
自分の状況を理解しきれていないのか、平然と俺を煽る北斗を抱きしめた
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作者名：ぷりむら
| 作成日時：2021年3月10日 15時
