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虚無感 “pink” ページ1



side pink



あ、彼氏が来た


あ、こっちは友達か


歳を重ねても手を繋いで歩く夫婦もいる




暇な時間を潰すために始めた人間観察は

暇な時間が減った今でも続いている



緑の車体に寄りかかり犬くんを見ながら色んな人を見ていたんだけど、

今となっては残るのは犬だけで


なんだか少し寂しそうに見える






この街はいつでも音がする

車、電車、信号機、大きなテレビ




そういえば1月にはここに自分たちの広告が流れていたっけ




ここでインタビューを受けるファンの様子をワイドショーで見たことを思い出す

と同時に

以前より名前が売れ始めた今もなおこんなところに座って人を見ている自分に笑える





ここでこうして人を眺めていると、



この世界の人々にとって大切な人が


この世界の人々を大切にしてくれる人が



きっと必ず1人はいるんだろうと思えて安心する






もちろん俺にだっている



父ちゃんも母ちゃんも、もちろんじいちゃんもばあちゃんも


妹のような愛犬も


先輩も後輩も親友も


メンバーも




こんなに両手じゃ抱え切れないくらいの人に支えられているのに、


どこか足りない


満たされない




欲しかったものを手に入れたはずなのに、



まだ渇いている


まだ足りない





いつから俺はこんな強欲な人間になってしまったのだろうか

・→



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作者名:ぷりむら | 作成日時:2021年3月10日 15時

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