・ ページ19
・
「ジェシーが、何も言わないのは知ってる。黙って色んなもの背負ってるってことも」
「そんなことないよ、俺本当に楽しいよ」
「…それならそれでいいの。ジェシーが楽しいなら、俺も楽しいから」
自分でも何で泣いていたのかなんて分からない
いつも樹に口酸っぱく言われてるんだよね、嫌なことも悩みもちゃんと共有しろって
でも俺はやっぱマイナスなことよりプラスなことだけ話してたいし、
それは北斗に対してはもっと感じることだから
「ジェシーが抱えきれなくて何も言わずに潰れるとして、」
「潰れちゃうの？」
「例えね。例えばジェシーが潰れるって時に、多分俺はジェシーを掬い上げられないと思う」
きゅ、と握られた右手は気まずそうに指を絡めた
指輪もないそのままの北斗の手の温かさを感じて、
指輪も好きだけど、やっぱりそのままの北斗が一番好きだなぁと思う
「ジェシーを掬ってはあげられないけど、でも一緒に潰れてはあげられる。だからジェシーは一人じゃないからね」
「ふふ、そうだね」
「もう何で笑うの！本気だよ！」
ポカと音がする程度に頭を叩く北斗が可愛くて、
振り上げた手をそのまま掴み抱きしめた
「あったかぁ、」
「…ん、ジェシーの顎ジョリジョリして痛い」
「北斗がツルツルすぎるの」
本気だからね、と小さく呟く北斗をさらにぎゅっと抱きしめる
もちろん知ってるよ
北斗が俺を心配してくれること
でもね、俺は北斗を潰す気はないから
だから俺が潰れないようにしなきゃなって思うんだよ
「よーし寝るぞー」
そのまま布団にダイブして、二人で毛布に包まる
「明日はゆっくり起きよう？」
「そうだね」
何の夢かも涙の理由もわからないままだけど、
この腕の中の愛おしい北斗が居てくれるだけで全て吹き飛ばせるんだと
改めてそう思った
fin
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 765人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SixTones」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ぷりむら
| 作成日時：2021年3月10日 15時
