約束 ページ28
｢あたしのお姉ちゃん…マリーお姉ちゃんはお姉ちゃんの運命を奪って人魚姫になった。あたしは、その時お姉ちゃんを犠牲にしてマリーお姉ちゃんを幸せにした。あの時、お姉ちゃんを幸せにしてあげられなかったのはあたし。こんな、お姉ちゃんの幸せを奪ってまで世界を変えたあたしをお姉ちゃんはいつも最優先にしてくれた。｣
｢…それって、前言ってた…｣
ミチルは眠っているナノハの方を向いた
｢だから、今度はあたしがお姉ちゃんを最優先する。お姉ちゃんは、あたしが守るんだから！｣
｢…ゆ、いか？｣
小さな声を出したのは目覚めたらしいナノハだった
｢え…どうして！？あたしの力なら起きないはずなのに…くっ！｣
のんは杖からナノハに光を浴びせた
｢…わ、たし、ぜんぜん、うごけないし、こえ、でない｣
｢お姉ちゃん、喋らないで！喋ったら、悪化するかもしれない…｣
ナノハは震える手で必死でユイカに手を伸ばした
｢何で！？何でなの！？｣
｢そんなの、そんな魔法で2人の絆は引き裂けないからに決まってるじゃないですか！｣
シェインたちはヒーローにコネクトしてのんたちに向かっていった
｢我の知らぬ過去よ、真実よ｣
｢ゆいか、ねえ、なにす、るの｣
｢…お姉ちゃん、約束だよ｣
ナノハはユイカに掠れた声で話しかけた
｢…あたしが居なくなったら、今度こそ幸せになって｣
ユイカは目に涙を浮かべて笑った
｢過去を知らぬ我らに、真実を教えよ
…過去記憶、発動！！｣
その瞬間、世界が歪み、時が遡っていった
｢あれ…私たち、寝てたんじゃ…？｣
時はミチルがルーイさんの話をしたところまで戻っていた
｢ユイカ…！ユイカ、どこ！？｣
｢…！！｣
ユイカはナノハの隣に青白い顔をして倒れていた
｢過去記憶は成功したんですね…でも…ユイカさんが…みなさん、ユイカさんを看病しますよ！｣
ユイカはベッドに運ばれた
｢よかった…ユイカ、生きてる｣
｢…ユイカ｣
ナノハは目に涙を貯めてユイカの手をとった
｢私だって…ユイカがいたから…ずっと幸せだったよ！ユイカがいなくなったら…幸せになれないに決まってるじゃん！！｣
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