彼女の｢魔法使い｣ ページ30
｢あら、シンデレラ！いつからそこに？｣
｢フェアリー・ゴットマザーに聞きたいことがあるのです。｣
｢ええ、何かしら？｣
｢…ユイカは、いつ目覚めるの？｣
フェアリー・ゴットマザーは少し悲しげな顔をして、寝ているユイカを見た
｢彼女は、彼女にガラスの靴を履かせてくれる魔法をかける、魔法使いが現れれば目覚めるわ。｣
｢魔法…使い？それに、ガラスの靴って…シンデレラのこと？｣
｢ええ。彼女はシンデレラにならなければならない。そして、私のような魔法使いに…ナノハがなるの。｣
フェアリー・ゴットマザーの意味不明な発言にミチルは困惑していた
｢ふふ、簡単に言うと、ナノハはいつも、あなたにコネクトしているでしょう？そして、ユイカは私に。ナノハがシンデレラで、彼女がフェアリー・ゴットマザー。つまり、私はあなたを輝かせようとしているのと同じで、ユイカは、ナノハを輝かせようとしているでしょう？｣
｢あっ…｣
ミチルは、3人で旅していた頃はユイカはあの色を無くした悲しい瞳で、必死で、ナノハのことを輝かせようとしていたのを思い出した
｢…でも彼女は双子の、空白の旅人。2人は対の存在。2人は同じぐらい、輝けるのよ。だから、ユイカがいつもナノハを輝かせたのと一緒で、ナノハがユイカを輝かせてあげればいいの。ナノハが、彼女の｢魔法使い｣になるのよ！｣
｢で、でも！どうやって輝かせればいいのでしょうか…｣
｢そんなの簡単よ、ナノハにとっての幸せを教えてあげるのよ｣
｢…！！｣
そういうとフェアリー・ゴットマザーはユイカの手をそっと握った
｢彼女は、すごく強いわ。一番大事な存在からの、魔法のような言葉を聞けば、きっと目覚める。だから…お願いね。私は、彼女と共に戦っているけど、こうして他の人にコネクトしてもらわないと、彼女の姿を見れないし、話せないんだもの。ふふ、ユイカってこんな姿をしていたのね。どうか…彼女を救ってあげて…｣
フェアリー・ゴットマザーは静かに涙をこぼしながらナノハの姿に戻った
｢ナノハ…！大丈夫？｣
｢こっちは全員倒したわ！…ナノハ？｣
白の女王様から戻ったレイナがナノハに声をかけた
｢…うん。全部…聞いてた…｣
そのナノハの目にも、涙が浮かんでいた
｢私…ユイカに輝かせてもらってるだけじゃダメだって、気がついた…ユイカだって…私と同じ、双子なんだから…！｣
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