僕らの思い出。〈短編集〉３ (ページ4)

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赤いカーネーション。１ページ4

橙*黄

夢を見た。
大切な人が離れていく夢を…。

魘されて目を覚ますと枕は涙で濡れていた。

最近忙しくて２人でいる時間をとれていなかったせいだろうか。

それとも優しい彼なら許してくれると甘えて、ぞんざいな態度をとってしまっているせい…？

バレンタインだって忙しさを理由にして何もしなかった。

「アカンなあ…。もう少し素直にならんと…。」

ため息を吐きながら起き上がりベッドを抜け出す。

時計を見ると思ったよりも時間がないことに気づいて手早く身支度を済ませた。

車の中で飲めるようにとスムージーを作ってタンブラーに入れ、ジューサーを洗い終えるとタイミング良く鳴る携帯。

確認するとマネージャーで今すぐ行きます、とだけ言って通話を終わらせた。

さて、今日も頑張らんと…。

バッグとタンブラーを持って玄関へ向かい、お気に入りのスニーカーを履いてマンションを出ると車へと急いだ。

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