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「後々、後悔しないように言うておいたほうがええと思うで?」
「…後悔?」
「うん。やって人間いつどうなるかわからへんやん?」
「…まあそうやけど。」
ヤスの言うことは尤もなんやけどな…。
そう思いながらも無意識に出るため息。
「亮も恥ずかしがって全然言わへんやんか。たまには口に出したほうがええんやない?」
「えーっ?た、たまには言うとるよ…。」
「ホンマにーっ?」
「ホンマやって!夜のマルはドSなんやでっ!?言わざるを得ないんよ。」
「うわーっ、何か御愁傷様って感じやなあ…。」
「章ちゃんっ、他人事やからって…もうっ。」
「あはは、ごめんごめんっ。」
ヤスも亮もちゃんと言葉にしてるんやなあ…なんて2人の会話を聞きながらそう思った。
でも、よそはよそ。
うちはうち、やな…。
そう考えていると、
「信ちゃん、横ちょと付き合ってどれくらいやったっけ?2人を見てるとすれ違いとか倦怠期とか惰性の付き合いとか、そういうの無縁って感じやけど…。」
ヤスから急に向けられた質問に目を丸くした。
「すれ違いも倦怠期もないなあ…。惰性も、多分ないはずやで?」
「…惰性のほうは多分、なん?」
「そら付き合う前も含めたらもう年齢の2/3近く一緒に居るわけやん?俺が大丈夫って思っててもヨコがどう思ってるかはわからへん。」
「…まあそれはそうかもしれへんけど。」
「俺はヨコを信じるだけやで…?」
ヤスに言われるまで、そういうの考えたことがなかった。
なぜか俺らには関係ないような気がしてたから…。
でもこれから先、どうなるかなんて誰にもわからへんもんな。
さっきヤスが言うていたことが改めて大事なことなんやと再認識する。
どっかのお店でシャンパンに合うチョコが売ってたはず…。
それを買って今日はヨコに気持ちを伝えてみようか。
そう思いながらヨコに“今日そっちに行く”とだけメールをして開いたままの本に視線を落とした。
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―*end*―
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作者名:∞さっちん∞ | 作成日時:2018年2月14日 23時