pampering happiness【JUNGKOOK】 ページ6
「んーー、30分…」
時計を見ると、時間は家を出るまであと30分に迫っていた。外はまだ薄暗いくらいの早朝で、最近の仕事の忙しさを身に染みて感じる。
寝室では、Aがまだぐっすり眠っているはず。早朝から家を出ることは伝えていたけれど、一応起こしたほうがいいだろうかと思考を巡らす。前に、僕が家出をしたと勘違いしてグズグズと泣いていたことがあった。
僕も声を聞いてから家を出たい気持ちは山々だが、まだこんな時間だ。気持ちよさそうに眠る彼女をむりやり起こすような真似はでき損ねる。
「おっぱ、」
背後から聞こえた小さな声。驚いて振り返ると、眠そうに目を擦りながらよたよた近づいてくるA。
そのまま吸い込まれるように抱きついてくる。
「どーしたの、目覚めた?」
いつもよりさらにふわふわになった髪の毛を撫でながら聞くと、僕の胸元に顔を埋めたままこくりと頷いた。いつもならまだぐっすり寝ている時間だ、やはり腰に回る腕にも力はない。
「…お見送り、したかった、」
舌っ足らずにそうつぶやいたA。お見送りするために、がんばってベッドから出てきたのか。なんだそれ、かわいすぎる。
仕事のため家を出るのが惜しくなる前に、Aを腕の中から解放した。危ない危ない。
「ありがと、A」
そう言って頭を撫でてやると、目を瞑って気持ちよさそうな顔をする。子犬みたいだな、かわいくて離れがたい。
いつもは遠慮がちで、僕から声をかけるまでは甘えたいのも我慢してるAだから、お眠のとき、素直に甘えてくる姿の破壊力が半端じゃないんだよ。本人は気づいてないだろうけど。
「っあ〜…行きたくないな…」
自分でも、Aのことかなり甘やかしてるなぁと思う。でも仕方ないんだよなぁ、かわいいんだよ、ほんとに。
行きたくないなんて呟いた僕を見て、心配そうな顔で見上げてくる。すると、小さな手が近づいてきてそっと優しく僕の頭の上に乗った。
ふわふわと髪の毛を撫でられている感覚がする。
「………A?どうしたの」
「おっぱがこうしてくれると、うれしくなるから」
だから僕にもしてあげようってことか。
僕の頭から手を離したAは、完全に頬が緩みきった僕を見て安心したように笑った。被っていくために近くのテーブルに置いておいたバケットハットを見つけて、はい、と渡してくるA。
「おっぱ、いってらっしゃい」
「よし、いってきます」
僕にはもったいないくらい、しあわせな朝だ。
like a rice cake【JIMIN】→←if you're younger【V】
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ochonoko(プロフ) - もしかして私のリクエストに応えてくださったのですか…?ありがとうございます!!疲れた心に沁みました!!! (2021年8月12日 7時) (レス) id: 75b435fb78 (このIDを非表示/違反報告)
ochonoko(プロフ) - こんにちは!ほのぼのしたお話に癒されてます!もしできたら、金曜の夜も残業で疲れ切ってる女の子の会社にお迎えに来てくれるジョングクお願いします(^○^) (2021年8月10日 15時) (レス) id: 75b435fb78 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ノセ | 作成日時:2020年11月21日 13時