if you're younger【V】 ページ5
「…てひょん…………っ、む、むり、やっぱりむりっ」
温かいココアを入れたマグカップを持ってリビングに戻ると、ソファの上で小さくなってスマホをじっと見ているAからそんなかわいい声が漏れた。
え、なにそれ、名前、呼び捨てでもしたいの？
明らかに、心の声が無意識に口に出てしまっている。画面に夢中だからか、大好きな俺が戻って来たにも関わらず気づかない様子のA。
「なーに見てるの？」
ソファに座って隣から画面を覗き込めば、驚いてスマホを落としかけた。なんとかキャッチしたスマホを両手でぎゅっと握り、小さくなって俺を見上げている。
何も見てない、と言うように、Aが首を横に振る。そんなかわいい顔したってだめだよ。さっきばっちり聞こえたんだからね、何かかわいいこと言ってるの。
「こら、嘘はだめでしょ？」
「…はい……」
渋々こくりと頷いて、何も言えなくなったAの小さな手からそっとスマホを抜き取る。耳が真っ赤になってるのが見えて、スマホなんか投げ捨ててだきしめたい気持ちに駆られるけど、我慢。
俺の手に渡ったスマホに視線を落とすと、そこに映っていたのはデビュー当時の俺。今のAより、少し年下だった頃。
「なんでこの頃の俺？」
それは…と口ごもりながら、答えたくなさそうなA。
でもなんとなくわかる、かわいい理由なんだろうなって。
「…このてひょんさん、私より年下だから…その、この頃に出会ってたら、呼び捨てしてたんだって、思って…」
もし俺の方が年下だったらって想像してたの？
耳まで真っ赤なのがかわいくて、思わずそのちっちゃい体を抱きしめる。
「かわいいね、A」
「なんでそんなにかわいいの」
「真っ赤だね、はずかしいの？」
「あーもうほんとかわいい」
早口で捲し立てて満足した俺。Aは恥ずかしさが限界に達したのか、口をぽかんと開けてどこか一点を見つめている。ありゃりゃ。
そのまま見つめていると、はっとして思考を取り戻したA。俺を見上げて、少し躊躇って、今度はAから控えめに抱きついてきた。なになになに、かわいい。
「ヌナって呼んであげよっか、想像してたんでしょ？」
きっとそんなことしたらかわいい顔で恥ずかしがるんだろうなぁなんて思って、頭を撫でながら、冗談交じりに言ってみる。
あ、心臓の音早くなってる。
「…っ……もう、おなかいっぱいです…」
「ふは、そっか〜」
俺も、愛おしさでもうおなかいっぱいだよ。
pampering happiness【JUNGKOOK】→←with my teacher【RM】
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 118人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ochonoko(プロフ) - もしかして私のリクエストに応えてくださったのですか…？ありがとうございます！！疲れた心に沁みました！！！ (2021年8月12日 7時) (
レス) id: 75b435fb78 (このIDを非表示/違反報告)
ochonoko(プロフ) - こんにちは！ほのぼのしたお話に癒されてます！もしできたら、金曜の夜も残業で疲れ切ってる女の子の会社にお迎えに来てくれるジョングクお願いします(^○^) (2021年8月10日 15時) (レス) id: 75b435fb78 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ﾉｾ | 作成日時：2020年11月21日 13時
