32. - ut side - *過去 ページ36
俺の問いかけに対し、黙り込んでいる王子___元い、コネシマ。
待つのは全然いいのだが…そろそろヤニ切れがキツイなあとか思っているのが本音。
すっかり煙草の虜になってしまったな、辞め時がわからない。
そう思っていると、やっと話す気になったのか「それがな、」と口を開いた。
kn「完全に独断で行っている事で、…これはロワール家の方針なんかやないんです。」
その返答に驚きはしたが、それと同時に「なるほどな」とも思った。
この時点でなんとなく読めてきたわ。
話の続きを伺うと、「外部には絶対に漏らさん事を約束して下さい。…貴方だから、話してるのでね。」と続けた。
…読みが、確信へと変わる。
kn「理由はまた後程話すんですが、…ロワール家に…この国の歴史に、私が幕を下ろそうと考えてましてね。」
ut「………なるほど。」
やはりそう来たか。
大方、王族への反感や不満を倍増させるような行為を行い、反乱軍の士気を高め、国家転覆を狙ってるんやろな。
物騒な世の中やでほんま。
コネシマの話によると、反乱軍の隊を率いるのがまさかの自分自身らしく、半年前に自ら組織を立ち上げたのだという。
前々から薄々感じてはいたが…行動力の化身やな。思い立ったが吉日か。
だが、いくら王家の人間だからといって、バレてしまえば反逆の罪に問われる。
その辺はどうするつもりなのだろうか。
不審に思った王家の人間が探りを入れれば、直ぐにでも割れてしまうだろう。
俺にとって、この件はなんならおいしい話だ。
最悪な一家もついでに潰せるチャンスやしな。
ut「そこまでするに至った経緯をお聞かせ願えます?」
そう問うと、相も変わらず死んだ目で話し始めた。
______聞かされた話の内容は俺の家と、…俺の人生と、似ていた。
自分より少し後に生まれた弟の方が、"髪色と瞳の色"が王位を継ぐに最も相応しいとされ、これまでの努力も水の泡となり…それだけの理由で、王位継承権を奪われ、ロワール家の中での地位も落ちた。そして王族に仕える者たちでさえ彼を蔑み、「このまま彼が王位を継承していたら国は終わっていた」等言われ、更には「"忌み子"」とまで呼ばれた、と。
あぁ、なんだ。
ut「…俺と、同じや。」
彼に聞こえないようにぼそ、と呟き、目の前で話を続ける彼に、前とは比べ物にならない程の親近感を覚える。
それから俺達は、朝まで腹の内を話し合った。
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輝羅(プロフ) - AI1022さん» ありがとうございます!そう言って頂けて感謝です…モチベ上がりつつあるので頑張ります〜 (2021年12月19日 22時) (レス) id: f10a80d4d2 (このIDを非表示/違反報告)
AI1022(プロフ) - 初コメ失礼します。めっちゃ好きです!夢主さんが主役さん達と会話してる時は可愛いのに戦闘になると急にかっこよくなるの好きしか言えません() (2021年12月19日 13時) (レス) id: 7501e22401 (このIDを非表示/違反報告)
志貴(プロフ) - 輝羅さん» ほんとですか!とても楽しみです! (2021年7月23日 1時) (レス) id: 8ad0ee779a (このIDを非表示/違反報告)
輝羅(プロフ) - 志貴さん» ありがとうございます、コメント嬉しすぎて飛び跳ねました 笑 これから長期休みに入るので、更新頻度増やしますね∩(・ω・)∩ (2021年7月22日 0時) (レス) id: f10a80d4d2 (このIDを非表示/違反報告)
志貴(プロフ) - とてもワクワクしながら読んでました!続きが気になります!無理しない程度に頑張ってください!!!楽しみに待ってます! (2021年7月18日 20時) (レス) id: 8ad0ee779a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:輝羅 | 作成日時:2021年5月26日 23時