許されたい (ページ2)

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久しぶりの依頼は暗殺。奥さんと息子を借金取りに殺されたので復讐したいとのこと。なんでまた5000万円なんて大金、こんな危ない組織から借りていたんだか。

「なんでこのおじさん借金なんてしたんだろうね」

情報集めに飽きてきたのか俺の隣で机に突っ伏している金髪の男、京本大我は依頼人の個人情報が記載されているデータファイルを見つめながら不思議そうに呟く。

確かにこの依頼人は普通の会社員で奥さんも周囲の人間も借金をするような動きはしていない。まあ、軽く調べただけだから裏で何かヤバいことをしていた可能性もあるけど。

「5000万円の借金なんて普通しなくない？」

曖昧な相槌を続ける俺を不満そうに見つめ先程より声を大きくしたきょもに負けPCの画面から視線を外す。それに気付いたきょもは満足そうに口角をあげ俺の方に凭れ掛かってきた。ああ、今日も可愛い、なんて鼻の下が伸びそうになるので口元を手で覆った。

「とりあえず集まった情報を纏めるとこんな感じ」

「ふーん、この組織って最近いい噂聞かないよね
　なんか悪いことでもしてんのかな？」

ターゲットである借金取りが所属する組織は違法な薬の密輸と人身売買で最近噂になっている。そういう噂話や情報に興味がないきょもの耳にも流石に入っていたようで。

「もっと楽しいことしたらいいのに」

「まあ、俺たちがやってることも悪いことなんだけどね」

きょもの言葉に共感しつつ銃とナイフを専用のケースに入れ身支度を整える。そう、俺たちがやってることも決していいことではない。事情を知らない人から見たらただの殺人犯だ。

「警察もちゃんと仕事してほしいよね」

「きょも、銃とナイフは？」

「重いからいい」

なんて言いながら黒いロングコートを羽織るきょもを見て小さく溜息をついた。基本的に俺もきょもも特殊な能力があるので銃もナイフも必要ないが、後始末が大変になるのでなるべく能力は使って欲しくない。

銃もナイフもそんなに大きなものじゃないし、専用のケースだって特殊な素材でできているから重いなんてことはない。それに俺たちは体格がいい方ではないし、能力が使えなくなると圧倒的に不利になる。

まあ、能力が使えなくなったことなんてないんだけど。