【鬼滅の刃】ハッピーエンドを目指して６【煉獄杏寿郎】

ことほぎ　壱 ページ42

*


　六月一日

　今日は快晴、祝言日和！


　この日、花見の席で電撃発表された伊黒さんと蜜璃ちゃんの祝言が、蜜璃ちゃんのご実家て行われた。


　伊黒さんはご自分の血筋の事が大嫌いで、甘露寺家に婿入りをと申し出たらしいのだけど、蜜璃ちゃんが

「伊黒さんが引け目を感じることなんて、何も無いわ！

　私には伊黒さんの血筋なんて関係ない。

　私を伊黒さんのお嫁さんにして！」

と熱烈にプロポーズして、それを聞いた伊黒さんが真っ赤になって頷きながら号泣したとか何とか。



　そんなこんなで、このめでたき日を迎える事になったらしい。

　蜜璃ちゃんの誕生日に祝言を上げるという、伊黒さんの演出が憎い。



　桜寿郎を槇寿郎さんに預け、私はいつもの様に杏寿郎さんに抱きかかえられて甘露寺家を目指した。


「杏寿郎さん、蜜璃ちゃんのご実家には行った事があるんですか？」

「無いが、裕福な家だと聞いている！

　一応地図で場所は調べては来ているから、大体の場所は分かってはいるのだが……

　恐らく近所で聞けば、すぐに分かるだろう！」


　私達は甘露寺家近辺であろう場所に降り立って、目に入った八百屋さんで尋ねることにした。


「この辺りに、甘露寺さんのお宅はありませんか？

　住所は……」

「あぁ！！

　お得意さんだよ！

　今日の祝言に来たのかい？」


　八百屋さんは、丁寧に道順を紙に書いて教えてくれた。



「すぐに分かって良かったですね」

「ああ！

　甘露寺の実家ならば、沢山食べ物を買い込んでいるだろうからな！

　八百屋か魚屋に聞けばすぐに分かるだろうと思ったが、予想した通りだったな！」

「本当ですね」


　教えてもらった通りしばらく歩くと、閑静な住宅地に立派な門が見えて、そこの表札に『甘露寺』という文字を見つけた。

　耳を澄ますと、中からはざわざわと人の気配がする。


「ここのようだな！

　失礼します！」


　私達が門をくぐると、蜜璃ちゃんにそっくりな、でも落ち着いた印象の女性が現れた。

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