【鬼滅の刃】ハッピーエンドを目指して６【煉獄杏寿郎】

出産祝い　壱 ページ25

「邪魔するぜェ」

「いらっしゃいませ、不死川さん。

　皆さんもうお揃いですよ」

「そうかいィ」


私の体調を気遣って、出産して一ヶ月程経った頃、柱の皆さんが出産祝いと称して我が家を訪ねて来た。

お目当ては、勿論桜寿郎だ。


「体の方は良いのかァ？」

「はい、寝不足ですけど元気にしてます」


不死川さんは、私をチラリと見て言う。

「洋装とは珍しいなァ。

　まァ、似合ってるけどよォ」

「着物だと授乳の時に大変なので…」

「なるほどなァ」


そんな事を話しながら、私は不死川さんを奥の広間に案内する。


今日は、槇寿郎さんと千寿郎君は二人でお出かけしているので、いくら騒いでも安心だ。


広間の襖を開くと中の人達が、一斉にこちらを向いた。

不死川さんは、桜寿郎を抱いた杏寿郎さんの所へと歩を進める。


「不死川、今日はわざわざすまんな！」

「煉獄、これは出産祝いだァ」

「ありがとうございます。」

「へぇ、そいつが桜寿郎かァ。

　こりゃまた煉獄に生き写しだなァ」

「それ、皆さんに言われました」


私と杏寿郎さんは、顔を見合わせて笑う。

「この分だと女が産まれても、煉獄に瓜ふたつなんじゃねえかァ？」

「むっ！

　その時は、Aに似て欲しいものだな！」

「杏寿郎さんは、女装しても綺麗だと思いますよ」


私がそう言うと、杏寿郎さんと不死川さんが『げぇっ』と言う顔をして笑う。


「だとよォ、煉獄。

　今度Aに見せてやれェ」

「それは遠慮しておこう！」


いや、本当に杏寿郎さんに似ても美人になると思うんだけどなぁ。


「この間取り上げたばかりですのに、もうこんなに顔が変わるものなんですね。」

しのぶさんがやって来て、桜寿郎の顔を覗き込む。

「しのぶさん、先日は本当にありがとうございました。

　生まれたばかりの赤ちゃんって、本当に日々顔が変わるんですよ。

　見ていて全然飽きません。

　珠代さんにも来て頂きたかったです」

「すみません、蝶屋敷を不在に出来なくて……

　珠代さんは、また今度愈史郎さんと一緒に来ると言ってましたよ」

「珠代さん達に、来訪を楽しみにしてます、とお伝え下さいね」


蝶屋敷には定期的に元鬼殺隊の人達が通院して来るので、二人とも一緒に外出する事が難しいみたいだ。

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