【鬼滅の刃】ハッピーエンドを目指して６【煉獄杏寿郎】

生命の光　捌 ページ20

出産は、痛くて、痛くて、もぅ、ものすっごく痛かった。


腰が割れそうな位に痛いのに、いきんでとか、今はいきみを逃がしてとか言われても、何が何だかでどうしたらいいのか分からなくて、無我夢中だった。


手術室に入って、どれ位時間が経ったのか訳分かんなくなった頃


「頭が出て来ましたよ！」


そう珠代さんの大きな声がして、より一層強い痛みに襲われた私は、精一杯の力を振り絞る。

「んーーーーっ！！！」


ずるん


下半身にそんな感覚がした。



「…おぎゃあぁ！！」

「おめでとうございます！！」

「元気な男の子です！」



桜寿郎の産声に、しのぶさんと珠代さんの歓喜の声が重なって聞こえた。


体中に入っていた力が抜けて、また痛みはあるけれど、

『子供の顔が見たい』

それしか考えられなくなる。


しのぶさんがお湯で桜寿郎を清めてから、私の隣に連れてきてくれた。


初めて見た我が子は、お腹の中にずっと居たせいか、肌は何とも不思議な色で、ふやけた様になっているけど、産まれたばかりだと言うのに、金髪と立派な眉が生えていて…



受け渡された、その体をそっと抱き締める。

ついさっき迄、私の中に居た赤ちゃん。



気がつくと感動で、涙が溢れていた。



「…桜寿郎。

はじめまして…お母さんよ。」

「産まれたばかりなのに、煉獄さんにそっくりですね。」

「Aさん、本当に頑張りましたね。

お疲れ様でした。」

二人がそう労ってくれる。


「お二人とも、ありがとうございました…」

私がそう言うと、二人は少し涙ぐんでいる様に見えた。



「では、赤子は煉獄さん達の所にお連れしますね。

きっとお待ちかねでしょうから。」

「よろしくお願いします。」


しのぶさんは微笑みながらそう言うと、桜寿郎を杏寿郎さん達の所に連れて行ってくれた。

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