【鬼滅の刃】ハッピーエンドを目指して【煉獄杏寿郎】

肆拾 ページ42

杏寿郎さんも、他の柱のお家に手合わせに出掛けたりして、家を空ける日もあった。


しばらくして柱同士の手合わせも一巡し、久しぶりに穏やかな日々が帰って来た。



杏寿郎さんが家に居てくれて、素直に嬉しい。



蜜璃ちゃんに分けてもらったバターと牛乳でスイートポテトを作ってお茶と一緒に稽古場で鍛錬している杏寿郎さんの所に持って行く。


稽古場の外から中の様子を伺うと、杏寿郎さんが

「Aか！

休憩にするか！」

と、障子を開けてくれる。



邪魔しないように、静かに近づいたのに…

…耳が良いなぁ。




「スイートポテトとお茶をお持ちしました。」

と言うと、

「ふむ！

良い香りだな！」

と嬉しそう。

縁側に腰掛け、スイートポテトを口に運ぶ。



「わっしょい！！！」



やった！

『わっしょい！！！』頂きました！！



ニヤニヤが止まらない。




柱稽古の成果か、最近は亡くなる隊士が減ったらしい。

隊士がレベルアップしたお陰で、柱が応援で呼ばれる機会も減ったとの事だった。



杏寿郎さんも、一人で赫刀を出現させる事が出来る様になったし、悲鳴嶼さんの所では『透き通る世界』に入る方法も習ったらしい。


「柱となっても、学ぶ事は多いな！」


と、更に鍛錬を積み重ねている。




「そうだ！

稽古も一段落したし、今日は久し振りに出掛けよう！」

と杏寿郎さんが誘ってくれたので、

「はい！」

と言って、片付けをしようとお盆に食器を乗せて持って行こうとした時、鴉が飛んできた。



「カアァァ！カアァァ！


伝令ィィ！伝令ィィ！！


炎柱ァ！柱合会議ィに向かえェェ！！


鬼を連れた隊士が居るゥゥ！」





私は真っ青になって、お盆を落としてしまった。




杏寿郎さんは、私のただならぬ様子に気づいて座り込む私を抱いて部屋へと運んでくれた。


恐らく酷い顔色をしているはずだ。


『とうとう、この日が来てしまった…！』



この柱合会議で、杏寿郎さんは無限列車に乗り込む様に司令を受けるのだ。

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