【鬼滅の刃】ハッピーエンドを目指して【煉獄杏寿郎】

参拾玖 ページ41

蜜璃ちゃんは、以前継子としてこのお屋敷に出入りしていたせいか、千寿郎君とも仲が良い。


稽古が済むと、辺りはもう暗い。


「甘露寺さん、遅くなりましたので今日はこちらにお泊りされませんか？」

「蜜璃ちゃん、千寿郎君もそう言ってるし、夜は危ないから泊まっていって！」


まぁ、蜜璃ちゃんは強いだろうから危なくは無いんだろうけど、杏寿郎さんの話もイロイロ聞きたかったりする。



「キャッ！

ありがとうっ！

じゃあ、お言葉に甘えちゃうわね！」

と言って私の方を見て、

「私、『イロイロ』お話聞きたかったの！」

と、言った。


お風呂上がりの蜜璃ちゃんは、もぅ、女の私が見ても鼻血を吹き出しそうなお胸だった……

羨ましい……


蜜璃ちゃんのお願いで、私の部屋に布団を並べる事になった。


杏寿郎さんが、ちょっと不服そうな顔をしたのが楽しい。



布団に潜りながら、

「私っ、こう言うお話を女の子同士でしたかったの！

ほら、鬼殺隊には男の人が多いし、しのぶちゃんはそんなお話してくれないでしょう？

煉獄さんとは、許嫁って事で良いんだよね？」

と言ってキャーッと頬を赤らめる。


何この可愛い生き物っ！！

私は、蜜璃ちゃんのあまりの可愛らしさにヤラれながら、頷いた。


「あの、蜜璃ちゃん。

私、杏寿郎さんの事色々知りたいのだけど教えてもらって良いかな？」


「Aちゃん、可愛いっ！

もうっ、キュンキュンしちゃうっ！」


任務でピンチの時に助けてもらった話や、稽古が長引きそうな時にはさつまいものおやつを出すと休憩にしてくれる話…


こんな話をしていると、修学旅行見たいで楽しい。

そう言えば、こちらの世界で女友達って居なかったなぁと思う。


「…で、煉獄さんはAちゃんに何と言って告白したの？

煉獄さんとはどんな所にお出かけするの？」

今度は蜜璃ちゃんに、キラキラ目を輝かせて質問攻めにされる。



「ゴホンッ！！！」



何処からか杏寿郎さんの咳払いが聞こえて、私達は目を合わせる。


聞いてたんかいっ！


この時代、部屋のドアは障子だし、壁は襖だし、夜にこんだけ二人でキャアキャア言ってたら、耳の良い柱の皆さんには筒抜けかも知れない。


小さな声で

「その話は、また今度ねっ」

と言うと、蜜璃ちゃんはまたキャーッと頬を赤らめて

「楽しみにしてるねっ！」

と言った。


翌朝、蜜璃ちゃんは10人前位の朝ご飯を平らげて

「またねっ！」

と言って元気に手を振って帰って行った。

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