【鬼滅の刃】ハッピーエンドを目指して【煉獄杏寿郎】

参拾肆 ページ36

「竈門炭治郎と申します！

煉獄さんはご在宅ですか？」


礼儀正しく挨拶する炭治郎君を見て、良い子だなと思う。


「荷物はこちらにどうぞ。」

と、客間に連れて行く。



背中に例の箱は無い。

鱗滝さんに預かって貰ってるのかな？

ちょっと禰豆子ちゃんを見たかったけど、他の隊士さんと雑魚寝じゃ色々問題があるかも知れない。





「あの…

稽古は捗っていますか？」

と聞くと

「はい！

柱の皆さんには、沢山教えてもらってます！

俺は、まだまだ力不足なので強くなれるように、やれる事をやるだけです！」

と明るく答える。




本当に良い子なんだなぁと思って、更に

「…全集中常中は出来る様になりましたか？」

と聞くと、ちょっとびっくりされたけど

「はい！

しのぶさん達に教えて頂きました！」

と答えてくれた。




続けて

「…ヒノカミ神楽を長く舞う事は出来る様になりましたか？」

と尋ねると、炭治郎君は驚いた表情をして息を呑む。


「…まだです。


どうしても体がまだついて行かなくて…
正しい呼吸をすれば出来るはずなんですが…

でも、頑張って父の様に一晩でも舞える様になります！」

「…お父様の見せてくれた見取り稽古は思い出しましたか？」

続けて尋ねると、

「あの…

何か…ご存知なんですか？

あなたは一体…？


…しのぶさんからも同じ事を言われました。


あの時の事は思い出したんですが、『透き通る世界』と言うのはまだ分からなくて…」




修行は順調に進んでいるみたいで、ホッとする。
この分だと、かなり早い段階で修得する事が出来るかもしれない。


「炭治郎君の『前向きに一歩一歩努力する才能』こそが、これからの未来を切り開きます。


辛い事や哀しい事が沢山あるかも知れませんが、きっと炭治郎君なら乗り越える事が出来ます。

急に強くなる事は出来ないから…

助けたい人を助けられる様に、頑張って下さいね。


炭治郎君の周りには、炭治郎君の事を大切に思ってくれる家族や仲間が居ます。

辛くなったら、彼らを思い出して下さいね。



私は、きっと炭治郎君だったら成し遂げられると信じています！」



と言うと、不思議な顔をしたけれど、すぐに笑顔になって

「はい！

ありがとうございます！」

と返事をしてくれた。

参拾伍→←参拾参

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す